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芸人にも正しさが求められた和牛の解散:ドラァグクイーン・エスムラルダ連載496

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開演時間が決まっている舞台とかでシャレにならない遅刻をすると、いろいろな人に迷惑をかけてしまうし、特定の誰かを傷つけるようなネタとか、不謹慎すぎるネタとかだと、単純にお客さんが笑いにくくなるのはたしか。なので、長く芸人を続けていくためには、ある程度「正しさ」を考慮する必要もあると思うの。

ただ、お笑いってそもそも、不真面目でナンボじゃない? その昔、権力者に対して無礼なことを言うのが許されるのは道化だけだったし、大変な目に遭ったとき、真面目に悩んだり落ち込んだりするのではなく、ちょっと不真面目にとらえることで、笑い飛ばすことができ、乗り越える力が得られたりする。なので、(もちろん、芸人さん自身が、芸に真面目に取り組むのは素晴らしいことだけど)お笑いにまで、必要以上に品行方正であることや真面目であることを求めるのって、アタシはちょっと違和感を覚えるのよね。

和牛の漫才が見られなくなるのは残念だけど、いったん距離を置くことで大事なものに気づくというのもよくある話。お二人それぞれの今後のご活躍をお祈りしつつ、いつか和牛が再結成されることも、ひそかに願っているわ!

 

<水曜日掲載>

PROFILE:
エスムラルダ(えすむらるだ)
1972年生まれ。94年よりドラァグクイーンとしての活動を開始し、各種イベント、メディア等に出演。2002年、東京都の『ヘブンアーティスト』ライセンスを取得。脚本家・ライターとしても活躍している。著書に「同性パートナーシップ証明、はじまりました。」(ポット出版、共著)
twitter:@esmralda001

 

 

 

 

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