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アイドル性とはなんなのか:ロマン優光連載115【2018年8月10日記事の再掲載】

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115回 アイドル性とはなんなのか

普段、アイドルを好きな人同士で話してると、感覚的な部分を互いに共有しているために、ちゃんとした定義を言語化しないまま使っている言葉というのが多々あります。

「アイドル性」いう言葉もその一つです。

そういう文化圏の外から見ると何をもって定義付けているのか意味不明の場合もあるでしょう。先日、Twitter上で柳下毅一郎さんから「ロマンくんははあちゅうの『アイドル性』を認めていたわけで、そこの『アイドル性』とはなんなのか」という質問をいただきまして、改めて「アイドル性」とは何か考えてみようと思いました。「アイドル性」という言葉は別に正式な定義がされているわけではなく、あくまで自分がどのようなニュアンスで使っているかという話に過ぎず、別にこれが正解とかいうものではありません。

アイドル性というのは一言で言うと「かわいげ」だと思っています。他人に「かわいい」と思わせてしまう性質です。

「アイドル性が高い」に一見似ている「アイドル力が強い」という言い回しを自分は使うことがあります。アイドル性とアイドル力、似ているように見えますが、全然意味の違う言葉として自分は使っています。

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アイドル力というのは職業アイドルとしてファンの心を掴む力であり、なんというかテクニックとかスキルのようなものです。たとえば、松田聖子さんはアイドル力の固まりのような人ですね。自己が設定したアイドルという概念に忠実にアイドルを演じきることで、ファンの心を捉えていく力のことです。

それに比べてアイドル性というのは、あくまで性質であって本人が意図的に作り出したものではありません。本人が意図してない部分から他人が感じとるものなのです。

その「かわいげ」の正体とは何かと考えると「隙」です。「隙」とは何かというと無防備な状態のことです。その状態の飾らなさ、邪念の無さが人々の心を惹き付けるのです。無防備な状態といっても、ズボンのチャック全開とかでは他人はかわいいとは思ってくれません。だらしないと思われるだけです。下手したら通報されるかもしれません。ここに同じ隙でもアイドル性の高い低いをわける大きな境目があるのですが、とりあえず置いときます。

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