366回 『みいちゃんと山田さん』について思うこと
「『みいちゃんと山田さん』についてお願いします」という編集氏からの依頼が来た。
『みいちゃんと山田さん』を知らない人のために書いておくと、2012年の新宿・歌舞伎町のキャバクラで知り合った主人公の「山田さん」と同僚の「みいちゃん」が共に過ごした12ヵ月間を描いていく漫画で作者は亜月ねね。漫画アプリ「マガポケ」(講談社)で連載中である。
自分も「マガポケ」を使っており、読むたびにモヤモヤしながらも何となく読んではいた。
作者がXで発表し、Kindleインディーズマンガで『みいちゃんと山田さん: みいちゃんが死ぬまでの12ヶ月の話(Kindle版)』として公開していた作品がもとになっている。現在コミックスは公開停止中である。
同作の人気に目をつけた講談社の担当編集者がスカウトし、商業媒体での連載が始まった。
Kindle版の作者名義はダイアナ。ダイアナとは旧Twitter時代からX上でキャバクラ、パパ活、性風俗産業などに関わる漫画を発表していたアカウントであり、亜月は2022年1月から2024年2月まで漫画を担当していた。運営者の実態が不明なアカウントであり、何人の人間によって動かしているのかもわからないため、作品の内容について亜月が作画以外のどれぐらいの部分を担当していたかは不明である。コミックス『夜のことばたち』が彩図社から出されている。
かつての友人が「みいちゃん」のモデルとなっていると亜月が作中コラムで語っているが、ダイアナ名義の『夜のことばたち』にも「みいちゃん」というキャラが登場し、その中のエピソードがいくつか『みいちゃんと山田さん』に登場しているので、その部分は友人のエピソードがもとになっているのであろう。
