59本目・『青春の甘き香り』その一
『青春の甘き香り』のDVDが遂に出る。
何年か前。
半年か一年前かもしれない。
この連載でいちどとりあげた。
そのときはDVDにいちどもなったことのない作品として。DVDどころかビデオパッケージやCS放送、配信、なんにせよまったく放送されてない作品だが俺は懐かしい。あれはいい作品だった。もういちど、なんらかの手段で見ることができないものか。という思いで書いた。
俺はこの作品についていままでの人生で誰かと語り合ったことがない。後述するがこの作品は本来予定されていたかたちでは放送されていない。まぼろしの作品なのだ。
が、俺は見た。
たしかに、見た。
俺が見たのは売れない漫画家としてデビューした頃。ガールフレンドのひとりもなく、夜な夜な遅くまで、朝まで、机に向ってしこしこと絵を描いていた頃だ。
部屋のテレビは放送が終了するまでついていた。いまは朝までテレビ放送があるがその頃は深夜1時か2時ごろまでだった。テレビ東京で昔のドラマをやっていた。30分のドラマだった。昼メロだな。すぐわかった。内容的にも雰囲気的にも。そもそも30分のドラマというのは子供向けのものか昼間に放送されてるいわゆるメロドラマだった。当時は昼メロという言葉で誰もが理解していたと思う。