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50本目・『それでも夜は明ける』:杉作J太郎のDVDレンタル屋の棚に残したい100本の映画…連載83

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50本目・『それでも夜は明ける』

ひどい話である。
あまりにもむごい。
ある日突然、連れ去られて奴隷になってしまう人の物語である。
百年以上前の物語で実話の映画化である。
なんの前触れもなく、幸せな毎日をすごしていたキウェテル・イジョフォー演じる彼は連れ去られて奴隷市場に出される。そして買われて物のような、物以下の生活が始まる。彼は自分が奴隷ではない、と訴え抵抗し、なんとか奴隷生活から脱出しようとするがすべてむなしく、ただ歳月だけがすぎていく。過酷で屈辱で耐えられない地獄のような奴隷生活。かつて弾いたヴァイオリンを与えられヴァイオリンの弾ける奴隷となるがむなしい、腹立たしい、くやしさが増すだけである。
彼は黒人である。
奴隷は全員黒人である。
彼は騙され連れ去られて地獄に堕ちたがそもそも社会。世の中全体が黒人差別の上にあった。

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世の中すべてが性格悪く、いびつで、感じ悪いのであるがではそれがすべての憎むべき悪かというとそうでもない。
どんな世の中にもその世の中に便乗するやつがいる。みんなもやってるから、みんなと話があうから、みたいなやつがいる。みなさんの周辺にもいるだろう。いっつもテレビやネットで取り沙汰されてるようなことばかりしゃべって得意になってるやつが。そいつらが惨劇を産み、さらには助長する。地獄に堕ちたキウェテル・イジョフォーを救うことなど決してない。

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