376回 ほっかほっか亭と『狂四郎2030』と『坊っちゃん』
編集氏からの「ほっかほっか亭が『狂四郎2030』のあれ引用RPして謝罪したのとかどうでしょう。『内容を読んでから』と批判するなら、昔から『坊っちゃん』持ち上げてる松山とか変なのありますよね」というメールが。
確かに愛媛県松山市が夏目漱石の『坊っちゃん』を観光の売りにしているのは自分も昔から疑問を感じていたわけだが、ほっかほっか亭の件とはちょっと違うような気がする。
その違いを考える前にほっかほっか亭の件をまず考えてみよう。
1月21日、ほっかほっか亭の公式Xアカウントがある投稿を引用RP。
少年が美味しそうにカレーを食べる漫画の絵を貼り、〝父親がほっかほっか亭の焼肉弁当買ってきてくれた〟と文章を加えたものだ。
それを公式が引用し、〝ほっかほっか亭の牛焼肉弁当 お父様に感謝ですね〟と投稿。
これだけ見れば普通なのだが、一部のXユーザーの中にザワツキが起こる。
この貼られたコマは徳弘正也の漫画『狂四郎2030』の一シーンであり、この後の凄惨な展開によってネットミーム化しているものだったからである。
『狂四郎2030』は90年代末から0年代前半に連載された徳弘氏の代表作の一つであり、掛け値なしの傑作だ。
近未来のディストピアを描いたSFアクションであり、徳弘氏のそれまでの持ち味であるギャグを交えながら、『新ジャングルの王者ターちゃん♡』のシリアスパートで垣間見せていたハードなストーリー展開をより突き詰めた形でおこなった、徳弘氏のSF漫画家・ハードな物語作家としての資質が顕著に表れたキャリア上も重要な作品である。
