48本目・『赤い鳥逃げた?』
映画は一回性の芸術だ、と寺山修司が言っていたがそれもそもそもは別の人が言ったのかもしれないし誰が先に言わなくても誰もがほっといても勝手に思うことなのかもしれない。
が、発言した人の味というのがやはりこの世にはあるので寺山修司が言ったから俺はやはりわざわざ「寺山が言っていた」とここに書いているのであろう。
それはものすごく簡単なことでいえば「あなたが好きです」という言葉も誰が発したかで全然違うし、俺が発した場合も相手によってまったく違う。ま、あまり言うことはないけど。
さりげなく、さらっと言ったとしても相手によっては生涯を決定する言葉となることもある。
まあ、そういうときほどさらりとしか言えないものだろうし、それゆえに流れていくこともあるのだろうか。
この映画は流れない。
流れなかった。
さらりとした映画なのだけども、流れなかった。
今後、初めてこれから見る人のために物語の筋とか全体のムードとか、ここではすべて触れずにいたい。
寺山が言ったように映画は一回性の芸術だ。
何度も見る映画はある。
俺なんかは500回以上見た映画が3本ぐらいある。ひまなんだろうか。