発売中の谷本真由美著『海外かぶれの日本人が言わない 欧米住んだら地獄だった件』(コアマガジン刊)より、「はじめに」を公開します。
谷本真由美(たにもと・まゆみ)
著述家、ITコンサルタント。シラキュース大学大学院国際関係論修士及び情報管理学修士、ITベンチャー、コンサルティングファーム、国連専門機関情報通信官、投資銀行などを経て、現在はロンドン在住。日米伊英での実務経験。代表作に『世界のニュースを日本人は何も知らない』シリーズ(ワニブックス)。
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島国は一見閉鎖的でも外部には寛容
日本人は外国が大好きである。これは日本が島国であって新しいものは常に外からやってくるという地理的な条件や歴史が関係している。
島国というのはどこも似たようなもので、一見閉鎖的に見えるような感じでも、外のものに対しては大変開けており、ある意味寛容で好奇心に満ち溢れた傾向を示すことが多い。ハワイやトンガといった島も同じだしフィジーもそんな感じだ。インド洋のほうだとマダガスカル、セイシェルやスリランカ、ザンジバルといった島国の人々も意外とオープンでゆるい感じである。そしてヨーロッパの場合は島国であるイギリスが意外とゆるいのである。
一見伝統的に見えるが、新しいものが大好きで変わったものに好奇心を示す連中が多い。島国なため、外国に対してある意味ロマンチックなものを抱いているところもある。
こういうところは島国である日本も顕著で、日本人は外国に対して大変良いイメージを持っていることが多い。閉鎖的で排外的だと思っている人が多いが、実は正反対で、日本人はお人よしでオープンでゆるくて非常に寛容なのだ。
その結果、日本には朝鮮半島や中国から取り入れた古式ゆかしい文化もそのまま生き延びているし、なぜか古代から日本にやってきた朝鮮半島や中国の人々も虐殺されたり攻撃されず、渡来人としてありがたく受け入れられたのであった。ヨーロッパからやってきた南蛮人たちも珍しい人として扱われ、わざわざキリスト教に改宗してしまった人々もいたほどである。
日本はそういう土地柄なので、海外に対して良いイメージを思い込みで持っている。外からは何か新しく良いものがやってくるだろうという期待だ。メディアも学者も海外に短期的に滞在した連中は、その期待に沿ったコンテンツを提供する。
だが実際海外に住んでみて利害関係バリバリの中で生活すると、その実態がよく見えてくるのである。この本はそんなエグい実態を忖度なしで紹介し、バカな日本人の脳内のお花畑を破壊することが目的だ。
『海外かぶれの日本人が言わない 欧米住んだら地獄だった件』はじめに より
文/谷本真由美(めいろま)
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