人権派格闘技漫画の最高峰『テコンダー朴』を世に送り出した義士・白正男先生が、日本人に正しい歴史認識と人権思想を啓蒙すべく、筆を執っている本連載。中年アニメオタクの間で賛否両論が繰り広げられた『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』(ジークアクス)。白先生はジークアクスについて何を思うのか。そして白先生が受け入れられないガンダム作品とは?
第32回:ジークアクスは許せてもガンダムZZは受け入れられない
「ZZは正史の一部ではなく偽史である」
4月から放送開始したTVアニメ『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』(ジークアクス)が6月25日、ついに最終回を迎えた。ジークアクスはサンライズと『新世紀エヴァンゲリオン』のスタジオカラーが共同制作したガンダムシリーズ最新作。
ジークアクスの最終回はエヴァの最終回のごとく、キラキラ空間で主人公・マチュを皆で囲んで拍手して「おめでとう」で終わるのではないかと一部で危惧されていたが、杞憂だったようだ。終盤はかなり駆け足な感じだったが、物語をきちんと畳んで一応の決着がつけられた。一部のガノタからは色々と批判も出ているようだが、ファーストガンダム至上主義の自分でも最後まで楽しく視聴できた。ガイナックス狂信者だった自分にはジークアクスはかなり刺さった。好きってことさ。
ジークアクスはシリーズ1作目『機動戦士ガンダム』の宇宙世紀を舞台にしているが、一年戦争でジオンが勝利したパラレルワールドの物語。正史ではないからアナザーガンダム(宇宙世紀以外の世界設定で描かれたガンダム)と実質同じ。原典であるファーストガンダムの世界設定に影響を及ぼす心配がないから、何が出てきても、たとえガンダムがハイパー化(巨大化)しても自分は全然許せた。パラレルワールド設定は狂信的な宇宙世紀原理主義者も黙らせられる上手いやり方だったと思う。