マニアックな特撮主題歌の選出も
――そしてこれは特撮物の主題歌ですね。
架乃 はい、『レッドマン』の主題歌の『夕陽のレッドマン』です。
――もともと特撮は好きなんですよね。仮面ライダーのファンでしたっけ?
架乃 はい。最初は『仮面ライダー鎧武』(2013年放映)から入って、それから『クウガ』(2000年放映)から見直していきました。でも昭和ライダーも見ましたよ。『アマゾン』(1974年放映)とか『X』(1974年放映)とか。特にアマゾンは今のオタクの目線から見ると、めっちゃ可愛いんですよ。ムキムキなのに最初しゃべれないし、戦い方も引っ掻いたり噛みついたりでワイルドすぎて仮面ライダーらしくないし(笑)。
――今のライダーファンからすると、昭和のライダーってだいぶ違うでしょう?
架乃 完全に子供向けとして作ってますよね。少年ライダー隊とか子供が出てくるし、ナレーションも「みんなも気をつけようね!」とかだし(笑)。今のライダーは、話も複雑だし大人向けですよね。そこの差も面白い。時代の味だなと思います。
――そしてこの『レッドマン』ですが、ライダーに比べるとかなりマイナーな番組ですよね。1972年に『おはよう!こどもショー』のワンコーナーとして放映されていたという…。
架乃 これ、朝からやってたんですか? 一話が5分くらいで、ナレーションとかもなくて、いきなり怪獣と遭遇してレッドマンがボコボコにやっつけるみたいな。しかもすごく暴力的なんですよ。前にニコニコ動画とかで、めっちゃ流行っていて存在は知ってたんですけど、主題歌のレコードあるんだ! って買いました。ジャケットもなんか変でいいんですよ。
――そしてYMOですか!
架乃 さっきお話した『ニッポン戦後サブカルチャー史』で、YMOがきっかけで時代が動きました、みたいな感じで紹介されていたんですよね。なんとなく曲は知ってたんですけど、ちゃんと聴いたことはなくって、その番組で見たらめちゃくちゃカッコイイ! と思ったんですよ。
――今の人が聴いても、かっこよく感じるものなんですか?
架乃 ファミコンとかゲーム音楽っぽいピコピコしたところが逆に未来っぽいんです。昭和の時代の未来の想像図とか、すごく好きなんですよ。『ドラえもん』の22世紀の世界とか、思い浮かぶじゃないですか。
――いわゆるパストフューチャーですね。
架乃 このビジュアルもいいですよね。人民服とかアートワークがかっこいいです。