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昔の専業主婦より今の専業主婦は楽

社会
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稼がずとも衣食住に困らず楽

会社勤めは週休2日が基本なのに、専業主婦には明確な休みがなく、24時間365日が労働だという主張も。それをいったら会社勤めのパートナーも家事育児にコミットするのが当たり前の現代、パートナーだって24時間365日が労働です。

家事に正当な対価が発生しないことも、専業主婦の辛さのひとつとしてあげられがちで、「家事労働を賃金に換算することはできない。賃金に換算したら莫大な額になってしまうから」という論調が昔からあります。2016年にTBS系列で放送された、「契約結婚」をテーマとしたテレビドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』では、星野源演じる夫の平匡が、新垣結衣演じる妻のみくりを、家事に専従する従業員として雇って、その家事労働の対価として給料を渡すシーンがありました。その給金の額面は月19万4000円。「莫大な額」とは程遠いですが、家事労働には、それくらいの価値があることが『逃げ恥』が証明したかもしれません。

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けれど、権利には義務がつきもの。稼ぎがあるということは、家庭運用に掛かる諸々のお金を負担する責任が生まれるということです。もしも夫から毎月、家事の代償に20万円弱を貰うとすれば、その中から家賃・光熱費・食費・交際費・子どもにかかる金銭に加えて、車の車検代やら、たまに旅行に行ったりするレジャー代やらを払う責任が生じることを理解しているからこそ、「膨大な額になる」などと誤魔化しているのではないでしょうか。得たお金が丸々お小遣いになるなんていうのは都合のいい考え。稼がずとも衣食住が保証されている立場でいられることが、家事労働の正当な対価です。

しかも、体調不良でも出社しなくてはならず、ふらふらで仕事をしなくてはならない社会人とは違い、専業主婦は、具合が悪い時には、いつだって時間を作って横になれます。「体調が悪くて、晩ご飯を作れなかった」と家族に説明をして、出前で済ませることもできますし、掃除や洗濯を1日サボタージュするくらい、日常生活を送る上でさしたる問題にもなりません。仕事と違って、手抜きできるだけ家事は楽です。

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おまけに家事には、ノルマもなく、納期もなく、自分のペースでできる上、家事の最中にテレビだって観られれば、ラジオも聴けます。ふと空いた時にSNSをチェックすることもできるし、実母や同じ専業主婦仲間と、気晴らしの電話だってできる。家事が労働であるというのならば、なんと素晴らしい労働環境でしょうか。家事と育児にあまりこだわりを持たず、最新家電や育児支援を活用して要領よくこなせば、残りの時間はすべてフリーの三食昼寝付き生活。

結論として、専業主婦ほど楽な「仕事」はありません。

 

文/小山内ちえ
初出/実話BUNKAタブー2023年11月号

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