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「沖縄方言禁止記者会見」に賛否両論:ロマン優光連載276

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276回 「沖縄方言禁止記者会見」に賛否両論

編集氏から「二階堂ふみに沖縄弁でずっと話しかけて釣られるかどうかのゲームみたいなのが炎上して賛否両論あるのですが」みたいなメールがきて、この人はこんなセンシティブな話を俺にさせて、俺をどうしようと思ってるのだろうとなった。

編集氏が言っていたのは、バラエティ番組『櫻井・有吉THE夜会』(TBS系)の2024118日放送された企画。沖縄県出身の女優・二階堂ふみ氏に「方言禁止記者会見」という設定で、記者役の人間が沖縄の方言で地元の話などを話かけ、つられて沖縄方言を3回使ったらアウトという企画だ。この企画に対して、かって沖縄の教育現場で行われていた「方言札」という制度をほうふつさせるものであり、歴史認識に乏しく非常に無神経なものであり、差別的であるという批判が寄せられた。

そういった意見に対して、この企画は過去に長崎県出身の女優・仲里依紗氏でも行われていたことから、長崎はよくて沖縄はダメだというのは逆に差別ではないかという意見もあったし、沖縄をポシティブに扱っていたという意見もあった。

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J-CASTニュースの取材にTBS側は「当該企画は、『どんな役も見事に演じ切る俳優さんでも、自身の出身地の方言には釣られてしまうのではないか?』を検証するもので、過去に別の俳優さんで同様の企画を放送した際は好評だったこともあり、沖縄の歴史的背景についての十分な検討ができておりませんでした。今回の企画が差別的であるとのご指摘は、私どもとして真摯に受け止めており、今後の番組制作に活かして参ります」 という回答を出している。

独立国家であった琉球王国が日本に併合された明治時代以降、本土の標準語使用を推進する政府の政策により沖縄県の学校では校内での沖縄の言葉の使用が禁じられ、沖縄の言葉を話した児童は罰として木板で作った他に沖縄の言葉を使う人間が出てくるまで「方言札」を首からぶら下げさせられた。日中戦争が勃発して以降、挙国一致を目指す大日本帝国の方針により、沖縄県民に対して独自の言語や風習を改めることが一層強く求められるようになり、沖縄独自の姓を本土風に改姓させられたり、方言札もより熱心に推進された。

このように言語や風習といった民族のアイデンティティを剥奪し「日本人」化する政策が行われていた歴史がある。

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