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サムソン高橋(さむそん・たかはし)
1967年生まれ。鳥取県出身。デブ専フケ専のゲイ雑誌『SAMSON』編集部で編集者およびライターとして勤務していた。2002年に退社後はフリーに。
X:@samsontakahashi
ゲイ雑誌直系の萌える組み合わせ
今回の漫画紹介のテーマは「バディもの」。「サムソンさんにはやはりゲイっぽいものでよろしく」というご依頼、そしたらこれしかないでしょ、山田参助『あれよ星屑』全7巻! ていうかこれ私が以前ご紹介したヤバいキャラ漫画紹介と丸かぶりですね! それだけ名作ということです。
もともと山田参助氏はゲイ雑誌『さぶ』にて80年代にデビュー。その作品は今で言う「萌え」「推し」の感性を通したエロで、時代を先取りしていたと思います。その参助氏がその萌え要素と偏愛する戦後昭和を前面に押し出し、満を持して世に送り出した作品がこれなのです!
兵隊やくざの勝新太郎を彷彿させる粗野な黒田と映画監督川島雄三を下敷きにしたインテリイケメン川島はゲイ雑誌直系の萌える組み合わせですが、単純に作品の完成度がすさまじく、私は朝ドラ『虎に翼』をしょっちゅうディスってたのですが、この作品と比べるとぬるすぎる! という憤りがあったと思います。朝ドラに「この生と性の傑作と並べ!」と要求するのは無理筋なことでした。
文字数が少ないので他2つは流します! いまさらですがよしながふみ『きのう何食べた?』は連載が始まって早18年。現実世界と漫画連載の時間軸が同時進行のため、主人公のゲイカップルはもうバディというか還暦老夫婦という漫画では未知の領域に到達しています。スケート漫画つるまいかだの『メダリスト』も選手とコーチが対等に描かれるバディものといって良いでしょう。フィギュアスケートオタクのオカマから見てもリアリティありすぎでこれがほぼデビュー作なのは恐ろしいです!
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文/サムソン高橋
画像/『あれよ星屑』(3)(山田参助/KADOKAWA/エンターブレイン)
初出/『実話BUNKA超タブー』2025年5月号