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「沖縄方言禁止記者会見」に賛否両論:ロマン優光連載276

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逆にTBSをなじるだけの人もいるが、それはどうなのか。制作者が沖縄の歴史や現在の沖縄に対する政治的な扱いを理解して、それを意識していれば、ああいうことはしなかった。それはそうだろう。しかし、だから番組を作った人間が悪いという話かというと本当はそういう話でもない。

そういった歴史をちゃんと教えてない日本の教育の問題、耳触りのいい発言をするマイノリティが正しいマイノリティであると考えがちなところ、悪い意味で「日本人」の均一性・平等を疑わなかったいところ、それらはようするに現代日本の社会の抱える問題、日本のマジョリティーの抱える問題、構造の問題であって、それが指摘されたということだ。

攻撃ではなく、別の視点の提示、意図せずして加害者になってしまうのを避けることができる指摘だというふうに考えた方がいい。

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「差別をなくすためには教えないのがいちばんだ」という論法がある。しかし今回の番組がいい例だが、知らないことで意図せずして相手を踏みつけてしまうこともある。過去の事実を学び、そこにある構造の問題を意識していかないと、同じような過ちを犯す確率は高い。今は表面上は解決しているように見えても、別の対象に対して同じようなことがおこる場合だってあるわけで、ちゃんと知ることは大切なことだと思う。

 

〈金曜連載〉
画像/2023年11月23日・映画『翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~』初日舞台挨拶

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PROFILE:
ロマン優光(ろまんゆうこう)
ロマンポルシェ。のディレイ担当。「プンクボイ」名義で、ハードコア活動も行っており、『蠅の王、ソドムの市、その他全て』(Less Than TV)が絶賛発売中。代表的な著書として、『嘘みたいな本当の話はだいたい嘘』『90年代サブカルの呪い』(コアマガジン刊)『音楽家残酷物語』(ひよこ書房刊)などがある。
twitter:@punkuboizz

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