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坂本龍一とムツゴロウさんの功績がすごい:ドラァグクイーン・エスムラルダ「勝手にワイドショー!」連載461

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昨年も著名な方々の訃報が多かった印象だけど、今年もまだ3か月ちょっとしか経っていないのに、高橋幸宏さん、鮎川誠さん、貴家堂子さん(『サザエさん』のタラちゃんの声優さん)、バート・バカラックさん、松本零士さん、笑福亭笑瓶さん、大江健三郎さんらがお亡くなりに。そして今週は、3月28日(発表は4月2日)に「教授」こと坂本龍一さんが、4月5日に「ムツゴロウさん」こと畑正憲さんがご逝去……。「アタシ自身が歳をとり、昔からよく知っている、少し上の世代の方が亡くなりやすい年齢になった」だけかもしれないけど、こう続くと、やはりショックだし寂しい気持ちになるわ。

もっともアタシ、教授にもムツゴロウさんにも、さほど強い思い入れはないの。YMOが活動していたのはアタシが小学生のときだったし、ムツゴロウさんのテレビ番組も観た記憶はないし。

ただ、あらためて考えてみると、好きな教授の曲はかなりあるのよね。『Merry Christmas, Mr. Lawrence』は言わずと知れた名曲だし、映画『ラストエンペラー』の『Rain (I Want A Divorce)』という曲もドラマチックで素晴らしい(花王「ASIENCE」のCM曲も、やや近いテイストで好き)。『energy flow』は美しく、今井美樹さんとのデュエット曲『二人の果て』、中谷美紀さんに提供された『MIND CIRCUS』『クロニック・ラヴ』などの曲は、いまでもよく聴いているわ。って、こんなこと書いていたら、教授の曲いろいろ聴きたくなっちゃった(というか、すでに聴きながら原稿書いてる)。

一方、ムツゴロウさんに関する具体的な思い出は、中学生のときに『子猫物語』という映画を観たことぐらいしかないの(そして内容も覚えてない。猫を飼い始めた今、あの映画もう一度観たいわ……)。ただ、今回の訃報を機に、友だちからいろいろな情報が送られてきたんだけど、ムツゴロウさん、麻雀好きだったり競馬好きだったり、あるいはアメーバや巨大ナメクジを食べたり、なかなかにパンチのきいた方だったのね。

あと、2004年に「東京ムツゴロウ動物王国」が出来ていたことも、2007年に8億円の借金を抱えて閉園していたことも、そのうち個人で負担していた3億円分をムツゴロウさんが8年かけて返したということも知らなかった。80歳で3億円返すバイタリティ、すごすぎる! おそらくギャンブラー体質で、好奇心と行動力が並外れて強かったムツゴロウさん。人生の酸いも甘いも味わい尽くされたんだろうな……。って、こんなこと書いてたら、ムツゴロウさんの本も読みたくなっちゃった。

それぞれに、一時代を築かれたお二人。どうぞ安らかにお休みください。

 

<水曜日掲載>
写真/『動物王国 熱い願い (ムツゴロウとゆかいな仲間たち―畑正憲珠玉の写真集) 』(朝日出版社、1988年)

PROFILE:
エスムラルダ(えすむらるだ)
1972年生まれ。94年よりドラァグクイーンとしての活動を開始し、各種イベント、メディア等に出演。2002年、東京都の『ヘブンアーティスト』ライセンスを取得。脚本家・ライターとしても活躍している。著書に「同性パートナーシップ証明、はじまりました。」(ポット出版、共著)
twitter:@esmralda001

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