漫画好きの識者の方々に、思い入れのある死に描写を挙げてもらった!
PROFILE:
サムソン高橋(さむそん・たかはし)
1967年生まれ。鳥取県出身。デブ専フケ専のゲイ雑誌『SAMSON』編集部で編集者およびライターとして勤務していた。2002年に退社後はフリーに。
X:@samsontakahashi
50年が過ぎても嫌で再読したくない漫画
私ことホモおじさんが生まれたのは1967年。というわけで物心ついて漫画を読み始めたのは70年代前期からなのですが、当時の漫画は死に関しては現在の漫画よりもはるかにエグかった。例えば『デビルマン』や『銭ゲバ』、『エコエコアザラク』や『魔太郎がくる!!』。楳図かずおや日野日出志などは言うまでもない。今では骨抜きにされた『ゲゲゲの鬼太郎』など当時はアニメでも人がおどろおどろしく死んでたし、『天才バカボン』あたりでさえカジュアルに人が死んでいた。
そんな当時の私に一番のトラウマを植え付けたのは『サインはV!』や『ゆうひが丘の総理大臣』を描いた同一人物とは思えない望月あきら(日向葵原作)の『カリュウド』。その設定は、「殺しても殺し足りねえよ!」と叫びながら絞首刑となった死刑囚の脳を脳腫瘍の美少年高校生に完全移植(するなよ)。結果、無念を抱いたまま死んだ人の恨みを晴らす必殺仕事人的殺人鬼が誕生してしまいました…。初期は後味の悪い話が多く、強烈なのは新聞少年をうっかり轢き殺した大臣の話。直接的には何の罪もない大臣の娘を誘拐し、生きたまま石膏漬けにして殺し、大臣が招待された美術館に彫像として陳列。何かおかしいと石像を壊したら目の前で娘の死体が出てきて大臣は発狂。「この展開、嫌すぎるな…」と小3の私がしばらく貸本屋に行けなくなった死です。カリュウドの単行本、前はプレミア付いてて高価だったんですが今は安く電子書籍で読めます。が、50年が過ぎても嫌で再読したくない漫画!
