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ピーコさんの逮捕から思う認知症の恐怖:ドラァグクイーン・エスムラルダ連載463

連載
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1970年代半ばに、一卵性双生児の弟である映画評論家のおすぎさんと共にメディアにデビューし、辛口ファッション評論家、コメンテーター、シャンソン歌手として活動されていたピーコさん。

そのピーコさんが今、大変なことになっておられるそう。

2021年後半、認知症の兆しが見え始めたおすぎさんと同居を始めたピーコさんだけど、2022年におすぎさんは高齢者施設に入居し、ピーコさんは一人暮らしを開始。ところが、今年の4月、『週刊女性』が、ピーコさんが3月下旬から行方不明になっていることを報じ、その後、おすぎさんとは別の高齢者施設に入られていると判明。さらに、4月19日、『女性セブン』が、ピーコさんが施設に入所する直前に、(認知症を原因とする)常習性の万引きで逮捕されていたことを報道。

ピーコさんが行方不明になったとき、「自宅のポストは新聞がたまり、エアコンもテレビもついたままだった」とのことだけど、逮捕されて、そのまま施設に入られたためだったのね……。

ちなみに、アタシ自身は何度か街なかで偶然お見かけしたことしかないけど、お友だちの中には、ピーコさんと面識のある方も何人かいるので、この一連の報道、とても他人事とは思えないわ。

それと同時に、自分の将来についても考えちまうわね……。ピーコさん、2021年3月まで生放送への出演を続けておられたのに、約2年で急激に認知症が進行したのは、やはりおすぎさんと離れて、張り合いがなくなったためなのかしら。森光子さんも、2008年くらいまでは信じられないくらい若々しかったのに、実の妹さんが亡くなられた後くらいから、急激に元気をなくされていった覚えがあるので、いつまでも健康を維持するためには、心の支えと張り合いを複数キープしておく必要があるのかもしれないわね……。

その言動等に関しては、ゲイの当事者の間でも賛否が分かれる部分はあったものの、44歳のときに悪性黒色腫ができて左眼を摘出するなど、大変な経験をしながらも、50年近く芸能界をサバイブしてきたピーコさん。

今、認知症の治療方法がどれほど確立されているのかわからないけど、ピーコさんもおすぎさんも、少しでも症状が改善されますように。そして今後の人生を幸せに過ごされますように……。

 

<水曜日掲載>
写真/『ピーことば―ピーコの言葉』(主婦の友社)

PROFILE:
エスムラルダ(えすむらるだ)
1972年生まれ。94年よりドラァグクイーンとしての活動を開始し、各種イベント、メディア等に出演。2002年、東京都の『ヘブンアーティスト』ライセンスを取得。脚本家・ライターとしても活躍している。著書に「同性パートナーシップ証明、はじまりました。」(ポット出版、共著)
twitter:@esmralda001

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