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「この定番漫画がとんでもない」D.OのTOP3

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現行の漫画で、『ブッダ』のマインドに超近いのが『イリオス』(円城寺真己)。ギリシャ神話の世界観を円城寺先生が現代のヤクザ抗争に取り入れてるのよ。ご存知の通り、『ブッダ』も、仏教の開祖である釈迦の生涯を手塚先生独自の解釈で描かれてるよな。

この『イリオス』は、バカデカいヤクザ組織の朱維屋会(あかいやかい)に、〝半神〟って呼ばれる半分神のアキレスっていう超強い男がいて、強さも考え方もケタ違い。ヤクザ組織のケツモチが半分神って、どうなっちゃうのよ!? こいつと敵対勢力である亀松組若頭の亀山パリスがバチバチにやり合うんだ。この〝半神〟アキレスの元ネタはギリシャ神話のアキレウスで、人間と神との間に生まれた半人半神。こういったギリシャ神話とのリンクがいたるところに見られるんだ。

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俺が子供の頃、両親が虫プロから離れて、それまで住んでいた豪邸からジャングルみたいな小屋に住むハメになったのは、まんま『サバイバル』(さいとう・たかを)だった。この漫画は、ちょっと世界がおかしくなってインフラが整わなくなったときに、ネズミの脅威が襲ってくる恐怖を教えてくれた。俺が飼っていたハムスターとか、ネズミに殺されたんだぜ? その劣悪な環境の頃に出会った『ビー・バップ・ハイスクール』(きうちかずひろ)もまた俺にとってのリアルだった。

そんな漫画の数々が、とても戦えないようなデケえヤツにも屈しない精神を教えてくれた。オサム・テヅカが伝えたいこともまさにそれ。漫画が財産のジャパニーズは、マジとてつもねえぜメーン。

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文/D.O
画像/『火の鳥』1巻(著:手塚治虫 /朝日新聞出版)
初出/『実話BUNKA超タブー』2024年7月号

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