そもそも、世の中にはギャンブルの「必勝法」とかいうものがアホみたいにたくさんありますが、競馬や競輪などの公営ギャンブルにしてもパチンコにしても、必勝法のうちの一つでも正しかったらそのギャンブルを支える基盤は崩壊します。当たり前じゃないですか。ギャンブルは胴元が儲けるもので、客はたんなるカモ。胴元は客を生かさず殺さず金をむしり取るのが鉄則です。そのギャンブル産業が健在である以上、必勝法や攻略法は全部ウソです。宝くじには攻略法なんて絶対にあり得ないからこそ「宝くじ詐欺」なんてものも出てくるわけですよ。
とはいえ、「確実に勝つ方法」はありませんが、宝くじ以外のギャンブルには「マシな負け方」「あわよくば少し勝てる方法」もあります。ギャンブルでボロ負けするのはリスクとコストが理解できないタイプの人で、リスクを回避してコストを抑えればプラスになる可能性もなくはありません。
しかし、宝くじはまったく違います。宝くじは買うことじたいがリスクで、宝くじに手を出す＝確実に負けるということなんですよ。こんな簡単な理屈がわからないバカが多いので、マジで頭痛いです。
宝くじで1等を当てる確率がほぼゼロである以上、まともに働くのが一番正しい儲け方なんですが、バカにかぎって一攫千金を夢見るから本当に困ったものです。もし宝くじを買うことにメリットがあるとすれば、それはバカが夢を見てストレスを発散することぐらいかもしれません。
文／加持のりお
初出／実話BUNKAタブー2014年10月号
