ジャンボ宝くじは「100000番」から「199999番」までの10万枚を1組とし、01組から100組までの100組・1000万枚を1ユニットとしています。1等が当たるのはこの1ユニットにつきたったの1本しかありません。つまり、3億円や4億円といった1等が当たる確率は、わずか「1000万分の1」にすぎないということです。
ところが、宝くじを買う多くの人たちは「宝くじは買わなきゃ当たらない」とか言うんですよ。確率が低いのは知っているけど、かといって買わなかったらその少ないチャンスもなくなるって理屈です。
どれだけバカなんでしょうか。言っておきますが、買っても1等なんか当たりません。たしかに可能性はゼロではありませんが、確率的にはほぼゼロ。1000万分の1というのは、雷雨の日に外をフラフラ歩き、その雷が偶然あなたを直撃するのと同じ確率です。それぐらいあり得ないってことです。交通事故で死ぬ確率だって宝くじに比べればムチャクチャ高いんです。交通事故の死者数は年間約4400人(2012年)で、人口比でみると1年間に交通事故で死ぬのは3万人に1人。宝くじを10万円分ほどまとめて買うと、そこでようやく1年以内に交通事故で死ぬのと同じ確率になります。
ハッキリ言って、確率的にはジャンボ宝くじを毎回3万円分、0歳の赤ちゃんのときから100年間買い続けたとしても、99.9%の人は生涯当たりません。毎回20万円分を自分の子孫10代にわたって買い続ければ1回ぐらい当たるかもしれませんが、そのときには5億円ぐらい使っているはず。4億円当たるにしても、それ以上のお金と時間を使わないと当せんしない計算になるんです。
カジノのほうが確率的にまだマシ
こんなハイリスク・ノーリターンのギャンブル商品を買うのは、確率の計算ができない非論理的なバカだけです。どうしても小さい元手による一攫千金を夢見たいのなら、まだ海外旅行先でカジノに立ち寄るほうがはるかにマシです。
カジノはテラ銭が5%と宝くじの10分の1以下のうえ、ルーレットで赤か黒かのどちらかに全額を張り続けて16回連続で当てればだいたい2億円ぐらいになります。もちろん、そんな奇跡みたいなラッキーはあり得ないんですが、それでも16回連続で当たる確率は約10万分の1。ジャンボ宝くじで1等を当てるより100倍も確率が高いんです。
結局、宝くじというのは確率の計算ができないバカを対象にした“税金”なんですよ。
日本の宝くじは江戸時代に流行した「富くじ」が始まりですが、くじに人生すべてをかけて破産したり依存症になったりするバカが続出したため、幕府が天保の改革の一環で禁じ、その後の明治政府も宝くじを禁止しています。そのとんでもないギャンブルが復活したのは、太平洋戦争の軍事費を調達するためでした。