ネットに真実がある という壮大な勘違い
「最近の若者は政治に関心がある」──
そんな話を聞くと、なんとなく前向きな印象を受けるかもしれませんが、残念ながらそれは希望的観測でしかありません。実際に彼らが支持している政党を見れば、愕然とするはずです。とりわけ、参政党というトンデモ政党に熱を上げる若者が増えているという現象を見れば、「若者が賢くなった」どころか「若者がバカになった」と言うほかないでしょう。
参政党といえば、科学的根拠の乏しいワクチン陰謀論、スピリチュアルに傾いた教育論、反グローバリズムを唱える国粋主義的思想──と、まともな政党とは到底思えない主張のオンパレード。それでも、YouTubeやX(旧Twitter)などではやたらとバズっており、街頭演説にはそこそこの人だかりができ、なぜか「真実を語っている」と思い込む若者まで現れています。完全に情弱バカです。
なぜこんなことになってしまったのか。それはひとえに、若者がテレビを観なくなったからです。
かつてテレビは娯楽の王様でした。バラエティ、ドラマ、報道、ドキュメンタリー──あらゆるジャンルの情報とエンタメを網羅しており、「昨日のあの番組見た?」という会話が、コミュニケーションの定番でした。しかし、今やそんな時代は完全に終わりました。
YouTube、Netflix、TikTok…情報も娯楽もスマホひとつで完結する時代。そんな中で「受信料を取られるくらいならテレビなんて要らない」と考える若者が激増しています。NHKの受信料制度は、テレビを持っているだけで自動的に料金が発生するという、時代錯誤な仕組み。これが逆に「じゃあテレビを持たなければいい」とテレビ離れを助長する結果になったのです。
テレビ離れ、つまり「地上波離れ」は、若者から公共的な情報ソースを奪いました。その結果、YouTubeやSNSを“真実”と信じる、リテラシーゼロのバカが大量生産されたのです。
ネットにどんな人間が情報を書き込んでいるか、少し考えればわかることです。多くは匿名の素人、あるいは再生数・拡散目的でセンセーショナルな話を大げさに話すインフルエンサーたち。そんな環境で流される情報のどこに信頼性があるというのでしょうか。
