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たけし映画の集合写真に映り込もうとして追い出される夏野剛:ロマン優光連載241

連載
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自分の意思で非常識にしゃしゃり出ようとしていたとするなら、クリエイティブなコンテンツに関わる会社の社長なのに創作物とかクリエイターに対する理解も敬意も興味もないのではないかという疑わしい気持ちもわいてくる。わいてはくるが、何の確証もないし、もしかして何かの罰ゲームでやらされていた可能性だってある。家族が人質にとられて脅迫されてやらされた可能性だってある。何にだって可能性はあるのだ。もしそうなら、夏野氏は被害者。うかつなことは言えない。まあ、ああいうことを自分の意思で自然にできてしまう人間が存在しているよりも、無理矢理やらされていてくれた方が安心できるというものだ。

そういえば「あれが角川春樹だったら」みたいなことをいう人がわりといるのだが、そもそも角川春樹氏が関わっていたら色々と大変なことになって、北野武監督作品としての『首』は完成しないだろうから、カンヌで上映なんてこともなく、あの場が成立することもないはずなので大丈夫。何が大丈夫かわからないが、大丈夫だ。

角川春樹氏の名前を書いていたら、小説『帝都物語』ラストの角川春樹登場シーンを思い出したので、「荒俣先生があんな風に書くから、春樹がいい気分になってしまい、既にかなりスピってたのが、地震を止めれるぐらいまでスピってしまったのではないか」という問題について、これから考えていきたいと思う。

 

〈金曜連載〉
画像/2020年8月20日・「デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー/第25回AMDアワード」授賞式(都内某所)

PROFILE:
ロマン優光(ろまんゆうこう)
ロマンポルシェ。のディレイ担当。「プンクボイ」名義で、ハードコア活動も行っており、『蠅の王、ソドムの市、その他全て』(Less Than TV)が絶賛発売中。代表的な著書として、『日本人の99.9%はバカ』『間違ったサブカルで「マウンティング」してくるすべてのクズどもに』(コアマガジン刊)『音楽家残酷物語』(ひよこ書房刊)などがある。
twitter:@punkuboizz


ロマン優光『嘘みたいな本当の話はだいたい嘘』(コアマガジン)

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