辻田 SNSでエゴサするとたくさん出てきますよ(笑)。でも、そんなもんだろうと思っています。むしろ、両方から批判されるのは健全な証拠ではないでしょうか。
――これからはどのような分野に興味がありますか?
辻田 戦前、戦中を書いたので、今後は戦後史ですね。今年は戦後80年、つまり戦前よりも長い時間が経っている。いつまでもこの時代が続くわけではないと思うし、その分節を考える時期に来てるのではないでしょうか。「失われた30年」では、〝失われる前”が本当の戦後みたいな扱いになっていますが、むしろ、その時代が特殊なんじゃないか。若い労働力が多くて、飛躍的に経済成長をして――、という時代のほうが珍しいんじゃないかと。もともと日本は格差はあったし、米も全員が食べられるわけではなかった。だから、〝古い時代に戻っているだけ”という見立てもできますよね。これがデフォルトだったんじゃないか、と。そういった意味でも戦後史に興味があるし、これから注目されるとも思っていますね。
取材・構成/高木〝JET〟晋一郎
初出/実話BUNKA超タブー2025年11月号
日本の過ちばかりを糾弾することでも、日本の過去を無条件に称賛することでもなく、過ちを素直に認めながら、そこに潜んでいた“正しさの可能性”を掘り起こすことで、辻田氏が右でも左でもない「われわれの物語」としての「あの戦争」に迫っていく一冊。


