人権派格闘技漫画の最高峰『テコンダー朴』を世に送り出した義士・白正男先生が、日本人に正しい歴史認識と人権思想を啓蒙すべく、筆を執っている本連載。炎上を繰り返しながらも神谷宗幣氏率いる参政党が参院選で躍進した。参院選において神谷氏が発した「チョン」という言葉。差別的な言動であるとして当然のごとく批判を浴びたが、人権派義士として白先生はこの言動をどう思うのか。
第33回:参政党神谷宗幣の「チョン」発言は典型的ネトウヨムーブ
あえて「チョン」と使う神谷宗幣
参政党の神谷宗幣代表は7月18日、三重県四日市市での参院選候補の応援演説で、参政党が掲げる憲法案への批判について「憲法分かってない。アホだ、バカだ、チョンだ(とバカにされる)」と発言した。
いきなりチョンかよ? チョッパリらしいな。
神谷氏はこの発言をした直後に「『チョン』って言ったらダメだ。ごめんなさい。いまのカット。ああ、また言っちゃった」と謝罪。続けて「これ、切り取られるわけですよ。私がちょっとでも差別的なことを言うと、すぐ記事になるんですよ。でも参政党を叩く人たちの差別発言はどうですか?」と語った。神谷氏は同日、自身のSNSでチョン発言について以下のように投稿。
「この発言は参政党への過剰な批判を引用したものであり、差別や侮辱の意図で発言したわけではありません。『チョン』という語には『愚か者』などの俗語的用法もありますが、差別語と受け取られうる表現であったことは認識し、直後に訂正しました。不快に感じる方もいると思ったからです。この点、今後は表現に注意します」
いきなり言い訳かよ? チョッパリらしいな。
このような「チョンは朝鮮人を指す蔑称ではない」とする言い訳は、昔からあるネトウヨの常套句。あえてチョンという言葉を使って、非難されるとチョンは朝鮮人とは関係ないとうそぶく典型的ネトウヨムーブ。
「チョン」は元々は差別用語ではなかった
たしかに元々はチョンは朝鮮人とは関係ない言葉だった。文献で確認できるチョンの初出は、1870年(明治3年)に出版された『西洋道中膝栗毛』とされている。チョンは江戸時代から使われていた言葉で、「半人前」や「取るに足らない人」を指す言葉だったという。当然だが当時のチョンは朝鮮人とは何の関係もない。チョンが朝鮮人の蔑称として使われるようになったのは1960年頃からといわれる。
