フジテレビの女子アナ上納事件を知った時に真っ先に思い出したのが『AKIRA』の鉄雄のSEXと女性上納だ。元々はモヤシっ子だった鉄雄は、ドラッグにより超能力を身につけカタストロフ後のネオ東京で逆らう者の頭を破裂させて王様のように君臨する。
部下のチンピラが貴重な女を何人も献上するのだけど、きついドラッグでキメセクして殺してしまうなど消耗品扱いで何人いても全く足りない。
中●正広氏もドラッグで狂って乳首をかみちぎるなどの残虐行為をしていたと言われている。鉄雄もドラッグでしょっちゅう発狂している。
『AKIRA』の未来は訪れなかったが、東京オリンピックは開催されるし女性上納事件は起こっておりまさに予言の書だ。
ただ女を上納されていた鉄雄であったが、何しろ東京はスラム状態であったため、女という存在自体が貴重であっても浮浪者みたいな女ばかりで、さっぱりうらやましくはない。
そんなことまでリアリズムを追求する大友先生は偉大だ。
阿部慎一『猫』はほんの数ページの短編であるが、旅館に宿泊するカップルのある性行為が描かれる。
温泉につかった後なのか、時間を持て余しているのか、けだるい表情の2人がテーブルを挟んで椅子に座っている。
唐突にその行為が始まる。まるで小林一茶が俳句で瞬間と永遠を17文字で表現したように、そのカップルのこれまでの足跡や現在、これから先を濃密に暗示しており、何度読んでも味わい深い。

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文/古泉智浩
画像/『さくらの唄』(上)(安達哲/講談社)
初出/『実話超BUNKA超タブー』2026年1月号
