「売上の一部が入ってこないという話が持ち上がったんです」(同前)
問題となったのは約160万円と決して見過ごせる額ではない。現場では次第に斉藤への疑念が広がり、「これは単なる入金の遅れでは済まないのではないか」という声も上がり始めたという。
「一方で、斉藤さん側に説明を求めたところ『未払いがあるのはお互い様。こちらにも受け取っていない分がある』と一歩も引く構えがなかった。つまり、『支払っていない』のではなく『精算が済んでいないだけ』という立場なのでしょう。要するに、最初から話が噛み合わないのです」(別の販売関係者)
斉藤にとって命綱だったバームクーヘン販売は、こうして脆くも瓦解していった。みずから巻いた不祥事の種によりタレント収入が断たれ、起死回生の奇策も泡となり、生活基盤は不安定に傾いていった──。
過去が引き起こす破滅行動
かように浮き沈みが激しい斉藤の人生を振り返るとき、避けて通れないのが過酷な「過去」の記憶だ。実は、斉藤はこれまで、新聞記事やインタビューの中で、小学3年から中学3年もの長期間、壮絶ないじめを受けていたことを明かしている。
「教室の中で孤立し、常に罵詈雑言を浴びせられ暴力を受け続けたといいます。時には制服を脱がされ全裸にされて、彫刻刀で背中をえぐられるなど、壮絶な体験をしたそう。斉藤は10歳前後で、すでに人生に絶望しながら、そのまま大人になっていったのです」(テレビディレクター)
一方で、こうした逆境を乗り越え、成功を掴む人物は少なくない。
斉藤の場合はどうだったのか。前出の芸人仲間が印象を語る。
「確かに、常に繊細な部分はあるように感じていた。でも、それと同時に自暴自棄というか、極端な行動を取ることがあり、狂気じみたところもあった印象。身の丈に合わない金額を競馬に注ぎ込んだり、酒に溺れたり、自傷行為的なものを常に身に纏っていましたね」
事件前に福岡で飲み明かしたという元芸人が証言する。
