ある競馬関係者が苦笑混じりに言う。
「斉藤さんは友達が少なく、唯一心を許せるのは、長年の競馬番組共演者の競馬芸人・キャプテン渡辺。そんな渡辺さんにも10万円単位でこまめに金を借りていましたが、彼の場合は例外的にすぐ返していました。斉藤自身が一番大事にしていた競馬仕事に悪評が立たないよう、キャプテンには他の芸人仲間より気を遣っていた」
もっとも、斉藤は「馬主」としての顔を持っていたが、今回の事件を契機にその称号まで失っている。
「斉藤さんは、地方競馬で『オマタセシマシタ』という競走馬を所有していましたが、採算は取れておらず、赤字状態が続いていました。そこで今回の騒動が直撃し、事実上、馬主としての活動継続が困難となったのです。最終的に、斉藤さんと公私共に交流があったスポーツ、競馬番組の放送作家である村上卓史氏がその権利を引き継ぐ形になった。もともと村上氏は馬主資格も有していたが、こういう曰くつきの馬の所有は煙たがられる。それでも『馬に罪はないので』と快く引き取ったのです」(競馬新聞記者)
そんな最中、斉藤にとって起死回生の秘策であり、復活の象徴と位置付けられたのが「バームクーヘン」である。だが、その甘美なイメージとは裏腹に、現場では次第に亀裂が生じるようになっていった。バームクーヘンの販売事業で発覚した多額の金銭トラブル──。それは性加害裁判とは別の時間軸で、彼の信用を大きく揺るがす事態になったのだ。
斉藤の事業関係者の一人が打ち明ける。
「最初はむしろ好調でしたよ。再出発ストーリーとしても充分成立していたし、斉藤さんが来れば、人だって大勢集まる。成功の兆しが見えていました」
事業展開のスタートは、タニマチ筋から紹介された洋菓子販売業者との共同運営という形。利益は折半というシンプルな構造だった。斉藤本人が前面に立つイベント販売や出張形式で客足も伸び、一定の手応えを感じていたという。
だが──。その空気が突如一変する出来事が起こる。
