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とにかく明るい安村の復活がとにかく嬉しい:ドラァグクイーン・エスムラルダ連載470

とにかく明るい安村の復活がとにかく嬉しい 連載
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6月11日、お笑いタレントのとにかく明るい安村さんが『ワイドナショー』に出演し、『ブリテンズ・ゴット・タレント』(ポール・ポッツやスーザン・ボイルを輩出したイギリスのオーディション番組)に出場した際のエピソードとネタを披露。みなさんおそらくご存じの通り、安村さん、視聴者投票には敗れたものの、審査員特別賞で敗者復活し、日本人としては初めて決勝に進出。アタシも動画で観たけど、客席の盛り上がり方がすごくて、ちょっと感動したわ。あのネタがこんなにもグローバル仕様だったなんて……!

ちなみに、アタシにもいくつかノンバーバル(言語を使わない)のショーがあるので、ダメもとで海外のオーディション番組にチャレンジしてみるのもありかな……と思ったりするんだけど、安村さんが「渡航費滞在費は自分持ち」と話しているのを聞いて、やや躊躇。事務所に所属していない一介の女装が、初戦敗退覚悟で手を出すにはややハードルが高い……。でもとりあえず、映像審査だけでも応募してみようかしら。

ところで、アタシもすっかり忘れていたけど、安村さん、2015年に大ブレークした後、2016年3月に文春砲によって不倫を報じられていたのよね。そのため、好感度が急降下し、収録済みの番組やCMがお蔵入りになったり、30本以上の仕事がキャンセルになったりしたそう。妻には土下座で謝罪し許してもらえたものの、その後しばらく、メディアに出演できない状態が続いたとのこと。

それにしても、以前から何度かこのコラムに書いているけど、政治家をはじめ権力を持つ人たちのさまざまな疑惑や税金の無駄遣いなどはなんとなくうやむやにされて、芸能人の不倫にはやたら厳しい、この社会の風潮って何なのかしら。しかも、本来、不倫に怒る権利があるのは家族だけだとアタシは思っているんだけど、その家族が許しているのに「世間」が許さず、結果的に不倫をした人の仕事がなくなって、「被害者」のはずの家族の生活が脅かされるという現象の本末転倒感……。

まあ、「本当に怒るべきもの」に人々の目や怒りが向かないようコントロールされているのかもしれないけど、みんな簡単に乗せられすぎよ! てか、そもそも芸能人の不倫に怒っている人って、実際にいるのかしら。広末涼子の件も、アタシのまわりで真剣に怒っている人なんて一人もいないんだけど(もっとも、「アタシのまわり」が、やや「世間一般」とズレているのは否めない)。「メディアが勝手に『不倫騒動で好感度が下がった』という空気を作っているだけでは?」という気がしなくもないのよね。

いずれにせよ、今回のチャレンジで巻き返した安村さんはお見事。今後どのような活動をされていくのか楽しみだわ!

 

<水曜日掲載>

PROFILE:
エスムラルダ(えすむらるだ)
1972年生まれ。94年よりドラァグクイーンとしての活動を開始し、各種イベント、メディア等に出演。2002年、東京都の『ヘブンアーティスト』ライセンスを取得。脚本家・ライターとしても活躍している。著書に「同性パートナーシップ証明、はじまりました。」(ポット出版、共著)
twitter:@esmralda001

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