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地下アイドルの定義:ロマン優光連載258

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258回 地下アイドルの定義

「地下アイドル」という言葉はその実態を知らない人から誤解を受けやすい。

その主な原因は「地下」という言葉にあると思う。

地下→アンダーグラウンドという連想から、犯罪と密接に関わりがあるような地下経済・アングラ経済を連想して、いかがわしさを感じる人もいるし、アンダーグラウンドで活動するバンドのような過激な表現をしているアイドル(ももいろクローバー時代に書かれたライブのレヴューでアキバの地下アイドルのような過激さだという不思議なものがあったが、それはこういう誤解から生まれたものだろう)であるかのように想像する人もいるだろう。実際は、そんなたいそうなものではない。かと思えば、「地下」という言葉を単にマイナーと同義に雑にとらえて、メジャーでないアイドル全般を地下アイドルだと認識している人もいる。

それはそれで実情とはズレている。

では、地下アイドルとはどういうものなのか?

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簡単に言うと、地下アイドルとは、大手のメディアで仕事をする機会があまりない、ライブハウスなどで行われるライブを中心に活動するアイドルのことである。

地下アイドルと地上アイドルとの境界線上に生まれた半地下という領域や、地底と言われるようなオリジナル楽曲さえもたない活動をしている層の存在、芸能事務所系、音楽系・クリエイター系、セルフプロデュース系といった運営のあり方の差異、ライブ自体を大切にしているグループとライブにともなう物販での接触をメインにすえているグループとか、細かいことを言っていったらキリがないし、地下アイドルという言葉が現在に近い形で使われるようになって約20年、時間の経過と共にその領域に多少の変遷(0年代中盤の記憶だと、Chu!☆Lips、 SurvivёのようなグループアイドルとFiceのようなアキバ系アイドルの双方を地下アイドルだとして自分は認識していた)はあるものの、基本的には地下アイドルというのはそういう存在である。

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地下アイドルの中には XOXO EXTREMEのようにメジャーのフィールドではできないような独自の表現を志向しているグループもあれば、タイムリープのように時代性に流されないアイドルポップスとアイドルのあり方を追求しているグループもあるし、メジャーで流行っているものの質の悪いエピゴーネンに過ぎないグループまで存在するが、ライブの場が活動の中心であることはどのグループもかわりない。たとえマイナーなアイドルであっても、ライブを中心に活動していないアイドルは地下アイドルというわけではない。

また、地下アイドルは言葉の本来の意味での芸能には属していると思うが、「芸能界」に属しているものではない。地下アイドルの領域、ライブシーンで成功を収めることは、「芸能界」への道に直結しているわけではない。地下アイドル出身者で現在芸能界で成功をおさめているといってもよいだろう、あのちゃんにしても地下アイドル活動が評価されて現在の地位を獲得したわけではない。地下アイドルを辞めてからの他の領域での活動が評価されて、現在の地位があるわけである。

吉田豪と荒井禎雄の論争

先日、X(旧Twitter)上で吉田豪氏とライターの荒井禎雄氏の間に地下アイドルの定義を巡る論争が起きた。

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