音楽プロデューサー・音楽ライターである松尾潔氏のミュージシャン・山下達郎氏に関する発言が話題になっている。
松尾氏は7月1日に自身のTwitter、及び6日に日刊ゲンダイに掲載されている氏の連載コラムの中で、 ジャニーズ事務所及びジェリー藤島社長に対してメディアで言及したこと原因で15年間在籍したスマイルカンパニーとのマネージメント契約が中途で契約解除になったこと、先輩であり事務所の重鎮である山下達郎・竹内まりや夫妻も氏を契約解除することに賛同したという内容を語っている。
松尾氏は山下氏と親しく、山下氏からの誘いでスマイルカンパニーと契約することになった経緯がある。6日のコラムはツイートに関する詳細な説明と現在の心境吐露になっており、弁護士経由で山下夫妻が契約解除に賛成したことを確認したことも書かれている。
スマイルカンパニー側は代表取締役社長である小杉周水氏が5日にホームページ内で
と発言、さらに
と山下氏からこの件に関する報告があるという告知がなされた。
当事者の片方からの情報しか出ていない状況だったり、事の詳細や真偽がはっきりしていない状況で何かについて公で批判したりを原則的に避けるべきなのは当たり前のことである。相手の被るかもしれない被害や自分が負わなければならない責任を考えれば。
松尾氏の発言や、スマイルカンパニー元代表取締役社長・小杉理宇造氏(現代表取締役社長の父にあたる)がレコード会社勤務時代からジャニー喜多川氏と親しく、ジャニーズ事務所元顧問、元ジャニーズ・エンタテイメント代表取締役社長を務めた人物であることなどから推測して、山下氏がジャニーズ事務所の性加害問題を擁護をしているとして批判したり、叩いたりしている人もいる。しかし、山下氏が実際にどう考えているのかを判断するには現時点では情報が足りていない。
会社は詳細を語るのを拒否しており、山下氏はまだ語っていない。山下氏が9日のラジオで語る内容が出てくるまでは、今回のことに関連して山下氏自身について公の場で論評すべき状態ではないと個人的には思う。その内容いかんで評価が色々と変わってくる可能性もあるのだから。
「ボクも彼と同意見ですし、ジャニーズに対する提言もできないような会社になんかいても仕方ない。だから反対しなかった。こんな会社、ボクも辞めます」と言い出す可能性もゼロではない。現時点では。
逆に「ジャニーさんの悪口をいう松尾の奴を追い出してスッキリ」とか言い出す可能性もゼロではない。
「公の場で他人の批判をするのは見てる人が嫌になるから好きじゃないです。もっと優しい世界がいい」みたいなボンヤリとした話をするかもしれない。
「彼の言うことは正しいけど、今までの付き合いもあって心情的に受け入れない人がいるのは事実。理不尽かもしれないが仕方ない」という話かもしれない。
「彼に悪感情は今もないし、道は別れてしまったが彼にはがんばってほしい」みたいなことだけで具体的な話は何もしないかもしれない。
「彼の言ってることはデタラメだ!」と言い出すかもしれない。
何も言わずにいきなり歌いだすかもしれない。
それらが事実である可能性は現実が確定するまでは無限にある。シュレーディンガーのヤマタツという言葉が一瞬頭に浮かんだが、そんな例えは間違いなく間違っている。それはさておき、よほどの例外でない限り、現実は常識的な線で落ち着くものだ。 まあ、山下氏の発言待ちが7月7日現在においては妥当かなと思う。
一方で発言した松尾氏も叩かれたり、批判を受けている。山下達郎ファンや、ネットでの告発というもの自体に疑念をいだいているタイプの人が批判するのはわかりやすいが、必ずしもそうではない。