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「この漫画のこのキャラがヤバい」ロマン優光のTOP3

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やたらめったら印象に残っている漫画のキャラ。誰しもの記憶にそんなキャラがいるはずです。著名人の方々にランキング形式で紹介してもらいました。今回はロマン優光さんです。
PROFILE:
ロマン優光(ろまんゆうこう)
ロマンポルシェ。のディレイ担当。「プンクボイ」名義で、ハードコア活動も行っており、『蠅の王、ソドムの市、その他全て』(Less Than TV)が絶賛発売中。代表的な著書として、『嘘みたいな本当の話はだいたい嘘』『90年代サブカルの呪い』(コアマガジン刊)『音楽家残酷物語』(ひよこ書房刊)などがある。
X:@punkuboizz
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彼こそが人間の可能性そのもの

ヤバいといっても色々な意味合いがあるわけだが、ここでは異常者かつ妙な独特のカッコ良さを持つキャラを「ヤバい」というくくりの中であげていきたいと思う。

「ようこそおいでませ 犯罪者のワンダーランドへ」

魔人探偵脳噛ネウロ』の最終巻での葛西善二郎のこの台詞を思い出す度に心が震える。

炎を愛し自在に操る先天的職業放火魔。ただの愉快犯。何の大義名分も信じない男。過剰なヘビースモーカー。火に関する駄洒落を無限に思い付ける男。だらしない中年男。ふてぶてしく愉快で少しセコい魅力的な悪党。

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「新しい血族」という新人類側に立ちながら、超常能力を得ることをせず、悪意による進化をとげた新人類・シックスのそばにいながら、シックスよりも1秒でも長く生きるのを目標としていた葛西。物語途中で生死不明で退場してしまい、魔人ネウロとの闘いでシックスが破れ、勝者のネウロが魔界に帰ってしまう。物語は終わったようにみえた。時が過ぎ、ネウロがこの世界に再臨しようとしたその時、突如現れた葛西が言ったのが前述の台詞である。

人間である犯罪者は魔神や新人類に負けたりはしないという宣戦布告であり、物語のテーマである「人間の可能性」を全身に背負った瞬間と言える。そう、葛西こそが人間の可能性そのものであった。悪役のサブキャラが悪党のまま、作品のテーマそのものになるという、あの奇妙で騒々しい物語の最後を飾るに相応しい名シーンだ。

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