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少子高齢化社会でも「年金を払った方が絶対にトク」な理由を専門家が解説

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1980年は、65歳以上の高齢者を現役世代6.6人で支える神輿型でした。それが2010年には、2.6人で支える騎馬戦型に、2040年には1.4人で支える肩車型に変わってしまいます。たしかにこれでは現役世代の負担が大きくなってしまい、年金は崩壊しそうに思えます。

ところが、これは人口比率でみた構図です。これを年金保険料を支払っている就業者と非就業者の構図でみると、ぜんぜん違ったものになります。実は1980年から2040年まで、ずっと肩車の構図が変わっていないのです。それでもなんとか年金制度を維持しています。

なぜ、現役世代の人口が減っているのに、就業者数が増えたのかというと、ひとつは女性の社会進出が多くなったからです。保険料を支払っていなかった専業主婦(第3号被保険者)の就労が多くなりました。

さらに、65歳以上の高齢者の就労が増えたのも理由です。そのため就業者数と非就業者の割合は、同じような状態が続いているのです。

なんとなくわかったけど、年金の財源は本当に大丈夫なのか? という心配もあります。

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高齢者に支給する年金は、年金の保険料と国庫負担で成り立っています。そして足りない分については、GPIF(年金を運用している機関)から取り崩して使うことになっています。

だけど、GPIFの運用がうまくいっていないというニュースも聞いたことがあるけど、大丈夫?  ここにも誤解があります。ニュースというのは運用が悪いときにしか報道しませんから、何となく運用を失敗しているようなイメージを持ってしまいがちです。22年度では、108兆円の収益が出ていて、運用以来の収益率は約3.6%です。そしてGPIFが運用しているのは、公的年金の財源の約1割しか運用していないのです。

たとえ運用に失敗したとしても、すぐに年金の財源に影響が出るというわけではありません。

このように、少子高齢化社会でも「年金は払った方が得」なのは明らかです。とくにフリーランスや自営業の人で、国民年金未納の場合はすぐに納付の手続きをしましょう。年金は払い損のような報道に騙されてはいけません。

※本記事は『実話BUNKAタブー』10月号掲載の記事を再編集したものです。記事全文は雑誌にてお楽しみください。

文/長尾義弘
初出/『実話BUNKAタブー』2023年10月号

PROFILE:
長尾義弘(ながお・よしひろ)
ファイナンシャルプランナー。年金や保険のカラクリについての得する情報を発信。著書に『NEWよい保険・悪い保険2023年版』(徳間書店)『とっくに50代 老後のお金どう作ればいいですか?』(青春出版社)などがある。

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