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初恋の人と結婚した貴乃花に勇気をもらったよ:ドラァグクイーン・エスムラルダ連載486

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第486回 初恋の人と結婚した貴乃花に勇気をもらったよ

元横綱の貴乃花こと花田光司さんが、今年8月末に再婚していたことを、9月27日に『文春オンライン』が報道。お相手のAさんは、貴乃花にとっては「初恋の人」とのこと(2018年に亡くなった、元J1ヴェルディ川崎の藤川孝幸選手の妻ともいわれているわ)。

「初恋の人」というと何やら甘酸っぱい感じもするけれど、二人は貴乃花が17歳のとき、1989年9月場所で十両昇進を決めた祝いの席で出会い、交際を開始。一時は東中野のアパートを借り、同棲もしていたものの、交際を始めて2年後の91年、貴乃花のほうからAさんに別れを告げたそう。Aさんには「相撲に専念したいから」と伝えたらしいけど、貴乃花自身は「力士は怪我により一瞬で潰れる場合もある。自分にはまだ、彼女と一緒になるために、周囲を説得するだけの実績も力もない」と考えていたみたい。

なお、二人が再会したのは、今年3月に「Yahoo!JAPAN」のオリジナル動画「RED Chair」に貴乃花が出演し、公の場で初めてAさんの話をしたのがきっかけ。それをたまたまAさんの妹が耳にして姉に伝え、Aさんが貴乃花に手紙を送ったとのこと。そして、一人で生きていく覚悟を決めていた貴乃花も、Aさんと再び交際するうちに、気持ちが変わっていったらしいわ。10代のときに出会った二人が、それぞれに紆余曲折を経て、50歳を過ぎて再び共に生きることになるなんて、あまりにもドラマチックで運命的!

ちなみにアタシは、貴乃花と同い年。しかも、20歳のときに片想いしていた人と約20年後に再会し、交際したことがあるので(残念ながらアタシのそれははかなく終わってしまったけど)、今回の件、なんだか他人事とは思えないの……。そして今、まさに、一人で生きていく覚悟を決めつつあるアタシだけど、「これから生涯を共にするパートナーに巡り会える可能性、もう少し捨てずにいようかな……」とも思ったわ。

相撲では一時代を築いたものの、恋愛・結婚関係だけでなく、親兄弟との不和、相撲協会との軋轢など、決して平穏とはいえなかった、貴乃花のこれまでの人生。そこには、ご本人の性格の強さや、「元横綱」「相撲部屋の親方」という肩書きに伴う責任感などが大きく影響していたんだろうけど、相撲協会を離れ、50歳を過ぎた今、おそらく性格も以前より穏やかになり、強すぎる責任感やプレッシャーからもある程度解放されているはず。今後お二人が、穏やかな人生を歩むことを願わずにはいられないわ! そしてアタシにも、良きパートナーが現れますように!(どさくさまぎれ)

 

<水曜日掲載>

写真/Wikipediaより( 撮影/Route246)

PROFILE:
エスムラルダ(えすむらるだ)
1972年生まれ。94年よりドラァグクイーンとしての活動を開始し、各種イベント、メディア等に出演。2002年、東京都の『ヘブンアーティスト』ライセンスを取得。脚本家・ライターとしても活躍している。著書に「同性パートナーシップ証明、はじまりました。」(ポット出版、共著)
twitter:@esmralda001

 

 

 

 

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