第2回 【感謝と謙虚を大切にするフェミニスト宣言】【ソフト老害】【二郎系に感謝】
前回の連載では、感謝と謙虚の気持ちを大切にすることについて語らせてもらったけれど、最近では、フェミニスト的な発想の大事さにも気付くことができた。
きっかけは、月刊雑誌『文藝春秋』が企画した、三浦瑠麗さんと鈴木涼美さんの2人による対談の配信イベントを見たことだ。
そのイベントを見て、男性と女性で、何を大切にしているかが違うことに気付かせてもらったんだ。
その違いを簡単に言えば、男性は女性とセックスする場合、事前に同意を得ているかどうかが大事だと思っているが、一方で、女性は事前の同意だけではなく、事後に男性が女性に対してケアをしてくれるかどうかを重要視しているということなんだ。
女性は事前に同意していたとしても、終わったあとに相手の男性から露骨に冷たくされたり、無碍に扱われたりすると、「さっきまでの優しい態度はなんだったのか」とか、「結局、自分とセックスしたいだけだったのか」なんて考えて、相手の男性に対する印象をそれまでとはガラっと変えてしまう。
実は世の中で起こっている男女トラブルのほとんどはこのすれ違いが原因になっていることが多い。特に、有名男性タレントが素人の女性に週刊誌にタレ込まれたり、告発されたりした時は、こういうケースがほとんどなんじゃないだろうか。
そう考えると、よく告発した女性に対して「過去の出来事なのに今さら何を言ってるんだ」と批判する人もいるけれど、その視点も間違っていると思う。
そのあたりの男女の違いを学べたことは自分にとって、とても勉強になった。これからは感謝と謙虚を大切にするフェミニストとして振る舞っていきたい。
フェミニストになってから過去を振り返ってみると、昔はかなり勘違いした発言をしていたことを思い出す。
以前、あるフェミニストの女性と話した時、「フェミニストって男のチンチンが足りてないから、いちいち目くじら立ててキレてるんでしょ?」と発言してしまったことがある。メチャメチャ酷い発言だが、当時の自分は男性からモテない女性が一部のモテてる女性に嫉妬して、面白くないから騒いでるだけなんだろうとマジで思っていたのだ。
しかし、実際はそんなことはなかった。男性から性の対象として常々見られることにウンザリしている女性はモテてるモテてないとは関係なく、たくさんいるのだ。
例えば、若くて可愛い女性は、会社などで飲み会の盛り上げ要員扱いをされるなど、仕事そのものとは関係ないポジショニングで振る舞うことを求められがちだ。マトモな企業ですら、いまだにそういう文化は残っている。
そういう実態を考えると、女性のエロいキャラクターをポスターに採用して公共の場に貼るのをやめてほしいと訴えるのも、女性にしてみたら当たり前なんじゃないかなと思う。
ソフト老害
自分が編集を担当した鈴木おさむさんの『仕事の辞め方』で言及されている「ソフト老害」って言葉が話題になっている。
「ソフト老害」って言葉のキャッチ—さもあって、中年の老害を指す言葉として独り歩きしつつあるけれど、鈴木さんはこの言葉で新たなカテゴライズをしたかったわけではない。むしろ長年、放送作家として働いてきていた自分自身に対する戒めとして使っているんだけど、僕自身も、気をつけなきゃいけないと思うことは多い。