三浦春馬が健在で『ゴジラ-1.0』に主演していたなら
『永遠の0』で特攻して亡くなった祖父を持つ役を演じた三浦春馬さんが、『ゴジラ-1.0』では祖父と同様に特攻するものの(特攻するシーンの音楽、『永遠の0』と『ゴジラ-1.0』はほぼほぼ同じなんじゃないですかね)、祖父と違って生きる道を選ぶという構図であったなら、演じる役は別人とはいえ両作品の三浦さんが重なって胸熱になること間違いありません。
『永遠の0』は、必ずしも特攻を美化している作品ではありませんが、とはいえ特攻による死に様を描いている作品なので、リベラル左翼界隈から批判を多く浴びました。それに心を痛めたであろう山崎監督が、今回は批判を受けたくない! と思ったのか、結果としてアンサーソングならぬセルフアンサー映画的な役割を果たしているのが『ゴジラ-1.0』と言えます。
既に評判が良い『ゴジラ-1.0』ですが、三浦さんが今も健在で、もし主人公を演じていたら、『永遠の0』とのアンサー関係が明確になって、無理やりの部分も無理やりさを感じなくなり、『ゴジラ-永遠の0-』としてさらなる高い評価を得ていたに違いありません。
『ゴジラ-1.0』の企画がいつ持ち上がったのか知りませんが、三浦さんの生前にこの企画はあって、山崎監督は当初主人公に三浦さんを想定していた、そんな妄想につい耽ってしまうのです。
文/中年男(なか・としお)
写真/Wikipediaより(撮影/PlayIN)