漫画好きの識者の方々に、思い入れのあるSEX描写を挙げてもらった!
PROFILE:
サムソン高橋(さむそん・たかはし)
1967年生まれ。鳥取県出身。デブ専フケ専のゲイ雑誌『SAMSON』編集部で編集者およびライターとして勤務していた。2002年に退社後はフリーに。
X:@samsontakahashi
ウシジマくんを超える地獄が展開
私がまず選んだのは峰なゆか『AV女優ちゃん』。峰なゆかは現在漫画家および文筆業をしている元AV女優。クレバーでポップでサブカル寄りの作風のため、この作品も現役時代のお茶目なAVあるある話だろうなと軽い気持ちで読み始めたらウシジマくんを超える地獄が展開されて打ちのめされること間違いなし。00~10年代のAV業界はそれだけ酷かったのだとも言えるが、性暴力、性的搾取、貧困家庭、家庭内暴力、境界知能などなどSEXや男女に関するあらゆる負の要素が詰め込まれていて心が削られます。気持ち悪くて暴力的なSEXであふれたこの漫画、一番グロかったのは終盤、瞳がキレイで心が素直な男優が監督に丸め込まれて実家で老いた実母とSEXするシーン。キツすぎます!
比較的ちゃんとしたSEX漫画だと私は80年代90年代の漫画で育ったので山本直樹(森山塔)など思い出深いのですが、令和の時代に意外と忘れられてるなと思うのが内田春菊が90年前後に発表した名作の数々。『水物語』は作者の半自伝的な内容の中年男と新人ホステスの不倫漫画ですが、狡い男の生々しいSEXはこの時代だと課長島耕作と並んで随一でした。男の射精音がドクドクッじゃなくてプププッていうのがリアルです。
最後は大島弓子『パスカルの群れ』。この短編は具体的なSEXシーンはなくて、当時の私含む乙女たちはちょっと(だいぶ)変わった恋物語として普通に読み終えてたのですが、大人になって再読すると「SEXしてんじゃん!」と遅まきながら気付くという変化球です。

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文/サムソン高橋
画像/『AV女優ちゃん』1(峰なゆか/扶桑社)
初出/『実話BUNKA超タブー』2026年1月号
