そんな矢先、やはり八代亜紀ファンのゲイの友だちが、アタシの誕生日プレゼントに、八代さんのジャズライブをプレゼントしてくれたの。そのときは、『夜のアルバム』の曲や、ジャズアレンジされた『雨の慕情』『舟唄』などを歌ってくださったんだけど、八代さんの生歌も、トークのかわいらしさ、面白さも全部素敵で、すっかりファンに。それからコロナ禍前の2018年まで、何度かライブに行ったわ。
ジャズも演歌も良かったけど、特に印象に残っているのが、日雇い労働者の思いが歌われる、岡林信康さんの名曲のカバー『山谷ブルース』。八代さんの声の迫力がすさまじくて、食い入るように聴きいってしまったわ。
あの歌声が、もう生で聴けないと思うと、本当に残念。もっとライブに行きたかった……。八代さん、どうか安らかにお眠りください。
<水曜日掲載>
写真/八代亜紀公式ホームページより
PROFILE:
エスムラルダ(えすむらるだ)
1972年生まれ。94年よりドラァグクイーンとしての活動を開始し、各種イベント、メディア等に出演。2002年、東京都の『ヘブンアーティスト』ライセンスを取得。脚本家・ライターとしても活躍している。著書に「同性パートナーシップ証明、はじまりました。」(ポット出版、共著)
twitter:@esmralda001