このレイプから、約1カ月後。一華ちゃんは妊娠したことに気づいた。同じコミュニティー内でのレイプだったため、話はすぐに進んだ。周囲は一華ちゃんが妊娠したことを男に伝え、男も一華ちゃんの望むようにしたらいいと返答をしていた。一応、男も自分の身勝手なセックスをしたせいで、一華ちゃんが必要以上に傷ついてしまったと認識をしたのである。そのため、男は自分の両親に「女友達をレイプしたら、子供ができてしまった。子供を産むか産まないかは、彼女の望むようにしたい。どちらにせよ、自分が悪いから、お金は全て自分たちが出すべきだと思う」と話をし、男側の家族は、お金を出すことに対し同意した。結局、女の子は流産しレイプされたことをなかったかのように振る舞っている。
子供を産むか産まないかという選択は、10代の子供たちにとってすごく難しいことのように思えるだろう。しかし、インタビューをして見えてくるのは、「産んだらどうにかなるだろう」という甘い認識だ。子供たち同士で「妊娠した」という話になると、産むことを前提に会話が広がっていく。10代での妊娠がそれほど当たり前となっているのである。
現在のアラサーも10代で出産
ここまでは、10代の話を中心に書いてきた。では、10代で出産した筆者の同級生たちの今はどうなっているのだろうか?
数は少ないけれども、堅実な人生を歩んでいるのは、資格を取り、収入を上げ、趣味や旅行を楽しみ、子育てをしているシングルマザーだ。シングルマザーが15人いれば、こうしたシンママは3人いればマシな方だろう。
しごできタイプのシングルマザーは、スキルアップと子育て趣味に没頭しているため、恋愛をしても男に狂うタイプではない。むしろ、自分が綺麗でいることよりも、スキルアップと収入アップに興味が向いているため「もうまた太ったから彼氏できないさぁ」などと自虐して笑っている。それに自分のことが嫌いではないというのも特徴だろう。育児にも熱心で、自分の子供には苦労をさせない。習い事も趣味も学業も旅行も、子供にはいろんな体験や経験をさせることが大事だと思っているタイプだ。レアケースだが、こうした沖縄女子は、10代で出産しても良い生活を送っている。それなりの収入を得られるようになった少数派のアラサー女子は、同じように若年出産をした同級生や地元コミュニティーにあまり興味がない。