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30本目・『時をかける少女』:杉作J太郎のDVDレンタル屋の棚に残したい100本の映画…連載57

時をかける少女 連載
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30本目・『時をかける少女』

大林宣彦監督にいちどだけお会いしたことがある。

握手をしていただいた。

両手で私の手を包んでくれた。

たいへんあたたかくてじわーっと涙が出てきそうになった。

この映画はそんな映画だ。

大林宣彦監督の映画はハンドメイド。手作り感覚に満ちているがこの映画も例外でないどころか正真正銘の手作り感覚に満ちている。

いまは映画を配信で見ることができるが以前はビデオレンタル、映画館に出かけないと見ることができなかった。

そういう意味でかつて見る側は手作りならぬ足作り? 時かけにちなんで足駆け? まあ言い方は置いといて見る側もかつては手作りだったと言える。

映画をどこでやってるかの情報獲得からしてネット検索一発ではなく、これもまた手作り感覚満載で映画上映の情報を得ていた。

ひとつひとつ、手作りでなにかをしていく。

むかしはそんな世の中だったのだ。

この映画で原田知世さんの前の席に座っている生徒がいる。

かわいい顔の男子生徒できょろきょろしたりはしゃいだりおすまししたりしている。下校時にも目立っていてたのしい学級なんだなという雰囲気の提示に大きく貢献している。

演じていたのが内藤研さんである。

内藤研さんとは後に石井輝男監督を介して知り合い仲良くなった。東映の内藤誠監督の長男である。

のちに私が手作りした映画『怪奇!幽霊スナック殴り込み』に出てもらった。細川俊之が演じるようなエリート臭のする悪役を演じてもらった。難しい役ではあった。がんばってくれたと思う。

あの前の席の生徒が20年の歳月を経てどうなったか。これもまたひとつの時をかける少年と言えるかもしれない。『怪奇!幽霊スナック殴り込み』は現在、以下の各社で見放題に設定されているのでぜひご覧ください。

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ムービーフル+
VIDEX
Lemino
U-NEXT(2023年5/26から)

『時をかける少女』(1983年・角川春樹事務所)
出演/原田知世、高柳良一、尾美としのり、津田ゆかり、内藤研、岸部一徳、根岸季衣、内藤誠(友情出演)、入江若葉、山下陽子、岡寛恵、上原謙(特別出演)、入江たか子(特別出演)、松任谷正隆、山口保代、きたむらあきこ、明日香いづみ、広島県立三原高校弓道部、高林陽一(友情出演)
製作/角川春樹
プロデューサー/山田順彦、大林恭子
原作/筒井康隆
脚本/剣持亘
撮影監督/阪本善尚
美術デザイン/薩谷和夫
美術助手/大林千茱萸、山田結
照明/渡辺昭夫
録音/稲村和己
人形製作/桑原実絵
絵本作画/田中紀之
音楽監督/松任谷正隆
音楽プロデューサー/高桑忠男、石川光
主題歌/原田知世
「時をかける少女」松任谷由実、松任谷正隆
編集/大林宣彦
監督/大林宣彦

<隔週金曜日掲載>
画像/上記作品 ポスター

PROFILE:
杉作J太郎(すぎさく・じぇいたろう)
漫画家。愛媛県松山市出身。自身が局長を務める(男の墓場改め)狼の墓場プロダクション発行のメルマガ、現代芸術マガジンは週2回更新中。著書に『応答せよ巨大ロボット、ジェノバ』『杉作J太郎が考えたこと』など。
twitter:@OTOKONOHAKABA

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