53本目・『大怪獣ガメラ』
※前回記事はこちら→「『大怪獣ガメラ』その1」
今日はハロウィンである。
10年ぐらい前、恵比寿と渋谷のあいだで開催されたクラブイベントに出るべく私は深夜、車を走らせていた。明治通りを渋谷から恵比寿方向に向っていたとき、歩道を歩いている異様な人間に目が留まった。あっ! 私は叫んだかもしれない。服がビリビリに破けていておまけに真っ赤な血が大量に付着していた。おそらく白いシャツだったのではないか。事件だと思ったが巻き込まれたくない気持ちもあった。あとふつうに二足歩行していたので助けが必要とも思わなかった。すぐ近くに交番があるのでそこに向っているのかとも思った。なんにしてもすごいものを見た、と総毛立ちながらクラブに到着したら似たような格好の人がいた。魔女もいた。モンスターもいた。ハロウィンの夜であった。
諸説あるようだがヨーロッパやアメリカではじまった行事というか祭儀でありそうしたものがえてしてそうであったようにオカルト的な人気にも支えられて広まったようだ。
日本ではここ10年20年盛り上がりを見せているが10代後半から20代前半にかけてのいわゆる元気のいい若者、夜になったからといって家の中で寝転んでテレビを見たりしていられない層に支えられているように私は見ている。ハロウィンの日には仮装をする。モンスターになったりゾンビになる。そして外に出ていく。
ふだん、ゾンビやフランケンシュタイン、ミイラ男などの扮装をして町に繰り出すのは難しい。法的になにか罰せられたり、だれか通りがかりの厳しめの年長者から罵声、説教を浴びることはないまでも視線は厳しいかもしれない。