330回 「財務省解体デモ」の危うさ
2月21日、「財務省解体」を訴えるデモが財務省前で行われ、X(旧Twitter)上で「財務省解体デモ」がトレンド入り。当日の模様はテレビ東京で報道され、2月24日に行われた別の主催者による財務省前でのデモはフジテレビに取り上げられた。
堀江貴文氏、西村博之氏といったインフルエンサーに否定的に取り上げられたり、ヒカル氏、三崎優太氏(元青汁王子)といった有名YouTuberが現場を訪れ動画で言及したことで、さらに注目を集めた。
「財務省解体デモ」と銘打ったデモはそれ以前から、異なる主催者によって日本各地で行われている。2月24日のデモは令和初の政治経済評論家を名乗る池戸万作氏の主催による「第11回元祖!財務省前デモ」であり、池戸氏は2023年9月から財務省前でデモを行っている。
これらのデモで訴えられている共通することが多い主張は、財務省の解体、国税庁との分離、増税反対、消費税廃止、緊縮財政の批判、積極財政の要求といったところであろうか。
本稿はこれらの主張に関して論評するものではない。これらのデモの主催者、参加者の傾向について考えるものである。
財務省批判をのぞけば、主催者、参加者の政治的主張は統一されたものではない。
2月21日のデモの主催者・池戸氏は経済政策に関するもの以外に政治的な主張と言えそうなものはあまり見受けられない。