
事故当時の救援・捜査活動に従事した群馬県警が活動基準点として設置したペンキで×印の描かれた岩(通称×岩)。
話は変わりますが、参院選で参政党が14議席も獲得するなど、すっかり日本は陰謀論ブーム。
日航機墜落事故に関しても数々の陰謀論がまことしやかに囁かれています。最も代表的な言説は、123便は自衛隊の誤射によって撃墜され、その失態を隠蔽するために、政府の指示で墜落地点の特定を遅らせた上、墜落現場では自衛隊が火炎放射器で証拠を隠滅するとともに、証言されることを恐れて生存者を焼き殺したというもの。
本誌も参政党の躍進にあやかって、御巣鷹の尾根に出かけ、陰謀論のページでも作ってやろうと思ったのですが、現場を訪れて悔い改めました。
なにひとつ過失がないにも関わらず理不尽に人生を突然終わらせられた520人の痕跡が確かにそこに存在し、罪悪感が半端ないからです。さすがに陰謀論によって彼らの死を茶化し冒涜するのはコンプラ的にいただけませんし、何よりも人の道に反した行為です。
もう二度と、このような痛ましい事故が起こらないことを願って黙祷させていただきます。

釈迦入滅後、弥勒菩薩が現れるまで六道を巡り人々を救済する地蔵菩薩。
人気取りのためか、本気で信じているのか知りませんが、陰謀論を垂れ流す参政党は万死に値します。当然、支持者も同罪。
あと近くまで車で行けるようになったとはいえ、現場までの道のりはなかなか厳しかったことだけは、お伝えしておきます。合掌。
初出/実話BUNKA超タブー9月号
写真・文/編集部