兄である九代目・林家正蔵a.k.a.こぶ平はテレビタレントとして一見三平とおなじような評価を受けていたかのように思える。
しかし、こぶ平の世間からのイラつかれ方はいっ平の比ではなく、さんざんお茶の間から軽侮を受け、ヒロミなどにいじられる様子はある意味で人気を博していた。いじられタレントとして一世を風靡したと言っても過言ではないだろう。
それぐらい攻撃誘発性の高い振る舞いをテレビでやり続け、それに対するいじりをキャラクターとして引き受けてきた男だ。
それに比べるといっ平は攻撃誘発性が薄く、単につまらないと思われるだけでそこまで視聴者のイラだちをかきたてることもない存在だった。
「つまらないキャラ」という役割を全うしていた
『笑点』の大喜利については、立川談志の著作をはじめ、さまざまな関係者からの証言があり、台本があって全部きまっているだとか、進行のみ台本に記されているとか諸説入り乱れている。
台本に描かれている部分とアドリブ部分が混在し、キャラ付けは自然発生したものを台本や演者が拾っていく形。お題はあらかじめ台本に書かれており、各人に対して模範解答も書かれているが、それをそのまま演じる者もいれば、独自に答えを用意するものもいるという説に説得力があるが確証はない。
ただ、「プロレス」的な部分があることは間違いないであろうし、三平に対する昇太やメンバーやの言動を本音であると単純に解釈するのは間違いで、確かにつまらない回答、すべっている回答が多かったが、そこも含めてショーアップすることで「つまらないキャラ」として役割を全うしていたし、大喜利の一部として機能していたと思う。
ある意味でテレビタレントとしての三平は『笑点』に出演することで、かつての兄・正三の牙城に迫るところまで化けたのだ。
そう考えると、その延長線上でネタとして三平の存在を消した可能性もあるかもしれないが、ただのイジメととらえられるリスクも高く、そこまでやるだろうか。現代の風潮を考えると、さすがにそれはないと思う。
