CRASSは1977年から1984年にかけて活動したイギリスのアナーコ・パンク・バンド。既存の左翼政党・右翼政党に与せず、アナキズム、反戦、反消費主義、反差別、フェミニズム、動物の権利、環境保護などを訴え、メンバーが自給自足で共同生活を送り、自主レーベルクラス・レコードを設立するなど、流通も含めたDIYな活動を行った。レコードの価格やチケット代を安価に設定していたことでも知られる。
彼らの主張やレコードジャケットのビジュアルなどは後のハードコアパンクシーンに大きな影響を与えた。
STEVE IGNORANTの決断はそういった経歴からすると当然のことのように思える。
ただ、今回の騒動で「CRASS」の来日公演のように語っている人が多く見られたのは気になった。
今回の来日はあくまで「STEVE IGNORANT BAND」の来日公演で、彼らがCRASSの楽曲を再現するというもの。CRASSが来日するわけではないのである。
また、STEVEが大谷氏の発言にアクションを起こすのかどうか、疑念を感じたであろう人も一部にいた。正直、自分も少し心配していた。
2007年にロンドンでSTEVEによるCRASSのアルバム『The Feeding of the 5000』全曲を演奏するライブを行った。このライブのチケット代は通常より高いものだったという。
CRASSの思想的なリーダーであるPenny RimbaudはこのライブについてCRASSの精神に対する裏切りであると評した。
それ以降のSTEVEの活動については商業主義的であるなど批判的な意見をたびたび目にしてきている。
そういうわけで不安だったりもしたのだが、ちゃんとした対応が出たので安心したところはある。


