34本目・『マイノリティ・リポート』
親しい友人知人で知ってる人は知ってるのであるが私には予知能力のようなものがある。
若干かもしれないが、たしかにある。
『ワールドトリガー』の迅悠一は未来視という特技(サイドエフェクト)の持ち主だが感覚的には予知能力というよりこちらに近い。
ま、なにからなにまでなんでも未来がわかるわけではない。過去も無限なら未来も無限である。それがすべて頭に流れ込んできたのでは頭がパンクしてしまう。さらに特定のなにかだけを本屋で本を。レコード屋でレコードを。マルベル堂でプロマイドを探すように未来を探すわけにはいかない。そういう能力を持っている人もいるかもしれないが私がもしそうだったらこうした場所で公表することはない。利権や損害が伴うことなので最終的に私は非業の死を遂げるか姿を隠して生きねばならなくなるだろう。
そんな便利な能力を私は持ってない。
が、たしかに未来視、予知のようなものが私にはある。自分でも怖くなることがたまにある。
大阪の古本屋さんからたまに届くメールに特別な興味を持った。いつか行かねばと思いやっと大阪に行けて数時間時間を作った。体調が実はかなり悪く、数百メートル歩くのに5、6回座り込んで休みながら北区中津の古本屋「ぷれこぐ堂」に到着した。
そこで店主の大川さんから語られたのが。
「ぷれこぐというのは予知能力者という意味」
ということであった。
聞いた瞬間、私がどれくらい慄然としたかおわかりだろうか。
プレコグという予知能力者が登場するのは「マイノリティ・レポート」という小説だと聞いた。小説は読んでなかったが映画は見ていた。プレコグを演じていたのはサマンサ・モートンだった。最近では「ウォーキングデッド」でゾンビの大軍を率いる恐怖の女性ボスを演じていた。
大阪北区中津「ぷれこぐ堂」に行った時の模様は毎週火曜、南海放送ラジオ「ファニーナイト」の中で放送中である。不思議なことがいろいろ起きている。ぜひ聞いてみて。radikoというアプリを経由すれば全国どこからでも聞けます。
出演/トム・クルーズ、サマンサ・モートン、コリン・ファレル、マックス・フォン・シドー
原作/フィリップ・K・ディック
脚本/ジョン・コーエン、スコット・フランク
撮影/ヤヌス・カミンスキー
編集/マイケル・カーン
音楽/ジョン・ウィリアムズ
監督/スティーヴン・スピルバーグ
<隔週金曜日掲載>
画像/上記作品 DVDジャケット
PROFILE:
杉作J太郎(すぎさく・じぇいたろう)
漫画家。愛媛県松山市出身。自身が局長を務める(男の墓場改め)狼の墓場プロダクション発行のメルマガ、現代芸術マガジンは週2回更新中。著書に『応答せよ巨大ロボット、ジェノバ』『杉作J太郎が考えたこと』など。
twitter:@OTOKONOHAKABA