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何でもかんでも人のせい:米山隆一連載17

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高市総理の答弁を発端として、日中関係が悪化の一途を辿っています。明らかに高市総理の責任以外の何物でもないわけですが、一部の保守派は「答弁を引き出した議員が悪い」というトンデモ論を主張していました。この主張のトンデモぶりを米山隆一衆院議員が解説します。

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第17回:何でもかんでも人のせい

存立危機事態発言は誰のせいなのか

11月7日の予算委員会で、台湾有事が安保法制の存立危機事態にあたるかどうかとの立憲民主党・岡田議員の質問に対し、高市総理が「軍艦が出てきた場合は明らかに存立危機事態になり得る」という答弁をしたところ、中国大阪総領事が、これを報じる朝日新聞の記事を引用して「勝手に突っ込んできたその汚い首は一瞬の躊躇もなく斬ってやるしかない。覚悟が出来ているのか」とXに投稿しました。

すると、日本国内から特に保守派を中心に批判が広がり、「大阪総領事を国外退去処分(Persona Non Grata)」にしろ! という声が上がりましたが、中国側の反発も強く、日本への旅行自粛、日本産海産物の輸入停止を打ち出し、両国は抜き差しならない状態となっています。

日本人からすると、これはどう見ても暴言を吐いた大阪総領事が悪く見えるのですが、仮に少々の間中国側の視点に立ってみると、見え方が全く異なります。私たち日本人は、台湾と中国は当然別の国だと思っていますが、中国政府の見解は「台湾は中国の一地域」で、言ってみれば日本にとっての佐渡ヶ島のようなものだと思っています。

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彼らから見れば、「台湾有事を存立危機事態だとして日本が武力を行使する」ということは、「佐渡ヶ島で暴動が起こった時、本州から機動隊を派遣したら中国が軍事介入すると宣言した」くらいに見えるわけです。その主張の当否はともかく、日本が何かを言ったからといって中国側の見方・考え方が変わるわけではなく、日中双方が全く異なる見方をしていることを前提に、落としどころを見つけざるを得ないのです。

そしてその知恵が、「台湾有事は存立危機事態にあたるか?」と聞かれたら、「その時に生じた事態・情報を総合的に判断しなければならないので答えらえない」として、あえて否定しないことで可能性を残して相手をけん制しつつ、あえて肯定もしないことで、相手の面子を立てて批判の口実を与えない歴代政府・総理の対応でした。高市総理の答弁は、その積み重ねを、軽々と投げ捨ててしまったのです。

この原因・責任は、どこからどう考えても、高市総理にあるのですが、驚くべきことに、「しつこく聞いた岡田議員が悪い!」という声が少なからず上がっています。

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