第3回 箕輪家を批判するバカども
ちょっと前に、「Soup Stock Tokyo」が離乳食を無料にすると宣言したら、いろんなクリエイターや意識高い系ぶった奴らがネットで便乗して賛同を寄せていた。なんだか「自分たちも優しい社会を作ろうとしてます」とアピールしてるみたいで、すごいムカついた。もちろん素晴らしいことだとは思うけど、ネットでアピールする暇があったら自分の仕事にそういう意識で取り組んでいけばいいのにな、と思うよ。
なかには「吉野家でも絶対やるべき」みたいなことを言い出したバカもいた。当然の如く、全部のお店が同じことをやる必要なんてない。それぞれの特徴で競争すればいいだけなのに、一つの価値観で強制したがるのってメチャメチャおかしいし、「お前らが言っている多様性って何なの?」と思う。結局、「多様性を大事にするべき」という1個の価値観を押し付けてるだけな気がして、それこそ本末転倒な話。多様性がなさすぎるだろ。
本来、飲食店なんてそれぞれが自由にやって、時には炎上したりもしつつ、個性を出して運営するべきだと思う。そのお店が合わない客は二度と行かなければいいんだから。飲食店って人気商売だから、社会的に良いことをやらなかったとしても、美味くて店が好きな人がいれば、十分経営は成り立つからね。
俺が中野でやっている家系ラーメン店「箕輪家」もWBC真っ最中のダルビッシュさんが来てくれた時は、多くのメディアが取り上げたから、それを面白くない奴らから、グーグルで評価1とかをやたらとつけられてた。でも、フツーにお客さんはたくさん来ているから、そういう炎上ってあんまり関係ない。
ただウザいのは、ラーメンオタクと呼ばれる奴ら。「1000円超えててスゲー高い」とか言ってくるけど、結局、各ジャンルにいるそういうコアなファンとか超オタクみたいな人が業界を廃れさせようとするんだなと実感する。ブシロードの木谷高明さんが「すべてのジャンルはマニアが潰す」って言ってたけど、マジでそれ。どんなジャンルでもマニアが語り出したこだわりに合わせていくと一般の人から離れてしまって、そのジャンル自体が廃れていってしまう。
だから箕輪家では1割のマニアじゃなく、9割の家系にまだハマっていない人たちに来てもらえる店というスタンスでやっている。「俺の舌を満足させてみろ」みたいなウザい奴は無視してる。
この感覚は僕がビジネス書を作っていたときに近い。