357回 伊東市・田久保真紀市長の不思議
東洋大学歴詐称疑惑によって全国区の知名度となった静岡県伊東市の田久保真紀市長が9月10日に市議会を解散する宣言を出した。
東洋大学歴詐称疑惑というが、田久保氏が東洋大学を卒業していないと既に判明している事実であり、卒業したかどうかではなく、わざと卒業したと嘘をついていたかどうかについての疑惑である。
この人のことをすぐに忘れるんだろうなあと思っていたのだが、定期的になんというか奇妙な言動をおこない、スポーツ新聞の記事になるので、さして注目を集めていない状況にある一方で完全に忘れられることもないという、ちゅうぶらりんな感じになっている。しかし、市長に関してはくだらない情報の記事も多く、中学時代に地味だったが卒業写真では当時一世を風靡した聖子ちゃんカットになっていたとかいう話は本当にどうでもいいと思う。
良くも悪くも注目を集めてきた石丸伸二氏も、代表をつとめていた再生の道が都議会議員選挙、参議院銀選挙でゼロ議席という結果を出して以降は大きく注目されることがなくなっているのにかかわらず、急に愛国心という今まで言ってなかったようなフレーズを持ち出して、多くの人に失笑気味の反応をされているが、それと近い感じである。石丸氏的には今までもそういう気持ちで動いてきたという想いはあるかもしれないが、「なんか流行りにのってる」ぐらいにしか外野はみないわけで。
なんというか、それによって大局が動くわけでもないし、流れが変わるわけでもないだろうに、本人はなんか発信していて、「この人、なんでこんなことやってんの」と思わせるものの、それが大きなバッシングにつながるわけでもないという状況である。
6月上旬に伊東市の全市議のもとに田久保氏の学歴詐称に関する告発文書が届き、7月7日に伊東市在住の男性が公職選挙法違反で刑事告発、同日には市議会が百条委員会の設置を決定するという流れで疑惑が知れ渡ってきたのだが、この件を知ったときに思ったのが、東洋大学を卒業していたかどうかは本来であればあそこまで大きなことになるようなことでもなかったのになんでこうなるのということだった。田久保氏に投票した人の中で東洋大学を卒業しているからという理由で投票した人がいるのだろうか。東洋大学卒業という触れ込みすら知らない人だっているだろう。