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35本目・『妖怪百物語』:杉作J太郎のDVDレンタル屋の棚に残したい100本の映画…連載62

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35本目・『妖怪百物語』

パッと見には恐ろしいがよく見たらユーモラス、かわいく見えたりもする。でもやっぱり怖い。

いまから50年以上も昔、クリエイターたちは優秀であった。

怖くて不気味なだけならたくさんプラモデルになって小学校の校門前の文房具屋で売られたりはしなかっただろう。

パッケージはやっぱりなんとなく怖いテイストだが買ってる小学生はみな笑顔であった、私も。

かといって作り物だと見切ってるわけではない。

素直に恐れ、素直に喜んでいた。

ゲゲゲの鬼太郎、そしてこの大映京都の妖怪シリーズ。

妖怪が大人気だった。

どころ遊びに行く時は妖怪を握りしめていた。

その頃は怪獣や宇宙人も大人気だったがそれぞれ分担が違う。

妖怪は身近なともだち。

兄弟のような存在だった。

対して怪獣は冒険、宇宙人は夢であった。

それぞれたいせつだったと思う。

おかげで冒険心に溢れる夢多き、人の痛みがわかる人間になれた。自分で言うな、だが、ま、そこが目標であり基本であると理解している。いまがたまたま荒んだりダメな奴だったとしてもそこへ軌道修正せねばならないことはわかっている。

ラジオを長くやっていると理解者みたいな体でありながらこちらをコントロールしようとする聴取者が現れる。そしてこちらがたいへんな状況にあるときに限ってこちらが傷つくであろう、やる気が失せるであろう文句を送ってくる。のがいる。

たまったもんじゃない。

余談でした。

『妖怪百物語』は高田美和が超かわいい。好きです。

『妖怪百物語』の林家正蔵(八代目)は得意の怪談を披露していておかしな話をしているわけではないのに雰囲気、たたずまいがただごとでないくらいおもしろい。

『妖怪百物語』の主演、藤巻潤のもっさり、大きく構えた感じがこわさを払拭してくれる。

『妖怪百物語』はルーキー新一がたっぶり見られて嬉しい。

『妖怪百物語』の平泉成は若い。大映第四期ニューフェイス。

『妖怪百物語』の悪役チーム(五味龍太郎、神田隆、水原浩一、吉田義夫)の安定感が見ていて疲れない。

『妖怪百物語』おいてけ堀で釣りをしてろくろ首に成敗される伊達三郎、山本一郎の捨て鉢な遊び人ムードがたまらない。

『妖怪百物語』伊達三郎の顔、表情は妖怪より怖い。

『妖怪百物語』の音楽、効果音は怖いけどクセになる。しっかりしたサントラ盤CDが出たのも納得。

『妖怪百物語』の妖怪をたのしいと記したがろくろ首と大首はこわい。高校生の頃もまだ記憶に残っていてなるべく思い出さないようにしていた。

『妖怪百物語』の続編『妖怪大戦争』(1968年)はこわすぎた。新参加の西洋妖怪ダイモンがこわすぎた。いまもまだ苦手である。こわすぎる。公開が冬だったのだ。それも恐怖が増した一員だったろう。その頃、まだ明かりは暗く、暖房も寒く、町並みも暗く、小学生の私にとって世の中は謎に満ちていた。

『妖怪百物語』(1968年・大映京都)
出演/高田美和、藤巻潤、林家正蔵(八代目)、ルーキー新一、吉田義夫、神田隆、浜村純、平泉成(平泉征)、水原浩一、伊達三郎、山本一郎、毛利郁子、小柳圭子、沖時男、五味龍太郎、坪内ミキ子
企画/八尋大和
脚本/吉田哲郎
撮影/竹村康和
録音/大角正夫
照明/伊藤貞一
美術/西岡善信
音楽/渡辺宙明
音響効果/倉嶋暢
擬斗/楠本栄一
助監督/太田昭和
現像/東洋現像所
特技監督/黒田義之
監督/安田公義

<隔週金曜日掲載>
画像/上記作品 ポスター

PROFILE:
杉作J太郎(すぎさく・じぇいたろう)
漫画家。愛媛県松山市出身。自身が局長を務める(男の墓場改め)狼の墓場プロダクション発行のメルマガ、現代芸術マガジンは週2回更新中。著書に『応答せよ巨大ロボット、ジェノバ』『杉作J太郎が考えたこと』など。
twitter:@OTOKONOHAKABA

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