55本目・『神田川』
かぐや姫の大ヒット曲の映画化である。
この歌詞。もともと作詞担当・喜多條忠さんの体験がもとになっている。リアリティのある歌詞が聞く人々のこころに響いたのである。おもしろい、おもしろくないではない、リアリティというものが人のこころに響くのである。これはいつの世になろうとも変わらないことではなかろうか。
余談だが私が現在通っている歯医者は喜多條忠さんも通っていた。わざわざ四国まで来ておられたのだ。三年前にお亡くなりになった。歯医者は私の同級生だったが彼も二年前に亡くなった。
南こうせつさんのメロディも、木田高介さんのアレンジも、哀切に満ちている。過ぎた青春への後悔と惜別。リアリティに満ちた女性と男性の同棲生活。それはその同棲生活が悲しい結末を迎えることを物語っている。
この映画もふたりが出会った瞬間から悲しい結末に向っていることがわかる。
なんとかならなかったのだろうか。